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第486回 「消防団員は地域防災の要として不可欠な存在です」

2014年6月27日更新

掛川市消防長 萩田 秀之

大規模地震や風水害などの広域災害は、

市内全域で災害が同時に発生するため、我々常備消防力(消防署)だけでは対応できません。そのため、地域の消防団と自主防災会の活動が必要になってきます。

この地域防災の中核を成す消防団の団員数は、

少子高齢化による若年層の減少、就業構造の変化、地域社会への帰属意識の希薄化など、社会環境の変化から全国的に減少が続いています。
団員減少の要因の一つには、掛川市だけではなく、全国的に若年層を中心とした地域の人口減少や団員の活動実態による減少があると思われます。

一方、減少傾向がある中で、

他県にはここ数年、毎年増加している消防団もあり、その主な要因としては、団員確保のための粘り強い努力のなか、女性消防団員の新規採用や消防団OBなどの機能別消防団員の採用などがあげられます。掛川市においても、掛川分団、東山分団に機能別消防団員(消防団OB)を採用し、9名の方が再入団しています。

平成26年度掛川市消防団は、

前年比9名増え、実員780人(定数803人)となりました。これは、県下で2番目の増加数となり、各地域の役員の方との連携など積極的な入団促進の取組みによる成果であると考えられます。

「掛川市消防団員就業構造」

(平成17年度)

平成17年度の消防団員の就業構造
自営業 20.8%、会社員 79.2%
市内勤務 69.2%、市外勤務 30.8%

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(平成26年度)

平成26年度の消防団員の就業構造
自営業 12.6%、会社員 87.4%
市内勤務 64.2%、市外勤務 35.8%

消防団の訓練といえば、

ポンプ操法や礼式訓練などのイメージがありました。掛川市消防団は、操法訓練を主に置くのではなく、団員の負担軽減や実災害に対応できる時代に即した訓練に取り組み、消防署との合同訓練も年3回実施しています。管轄地区内での訓練披露についても従来の操法訓練だけでなく、チェーンソーなどを使用した倒壊家屋からの救出訓練を披露する分団も増えてきています。
また、地区との連携を更に強化し、「活気のあるなかにも節度を持って行動する、地域に愛される消防団」を目指しています。

「倒壊家屋からの救出訓練」

倒壊した木造家屋に見立てた板をチェーンソーで切る訓練の様子

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がれきの中から要救助者を助け出す訓練の様子

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担架に救助者を乗せて運ぶ訓練の様子

安心・安全に暮らすことができる地域社会にするには、

市民の皆様に消防団とその活動に対するご理解とご協力をいただくことが重要です。特に、団員の家族、勤務先や、地域住民のご理解とご協力があってこそ消防団活動ができ、地域と一体となった活動を行うことができます。地域の安心安全を守るためにも消防団活動にご協力をお願いします。

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