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第508回 起こりうる自然災害

2014年10月28日更新

掛川市危機管理課長 白畑喜久雄

10月6日 午前6時から9時にかけて、黒俣地内の時間雨量81ミリメートルをはじめ、市内全域に猛烈な雨が降りました。台風18号の影響で短時間に多量の雨が降ったため、市内各地で崖崩れや浸水被害が発生しました。

両側に家があり、中央は川のように浸水している様子。

木や家が浸水している様子。

私が小学生だった昭和40年頃、ホームビレッジの栃原は、毎年台風で原野谷川が増水し、堤防沿いの現在の自宅付近は増水した水が川のように流れて、付近の住宅は流されてしまいそうと感じました。私はその頃、久居島の横根沢地内に暮らし、大雨が降ると祖母が窓際で線香を焚き、「桑原、桑原」と祈っていましたが、私には同級生に桑原さんがいたので、何言ってるのかな?と思いました。小学校までは歩いて4キロメートルあり、土砂崩れや橋が流されることは度々あり、その度に学校は休校となり、多量の雨は恐かったけど、休みになり嬉しかったことを覚えています。

そのころは今のように何でも手に入る時代では無く、遊びと言えば野山を走り回ったり、山芋掘りやクワガタ取りなど。昭和45年に原野谷川ダムができてからは、一切増水による被害も発生していませんし、今は豊かな時代となり自然災害など起きないと勘違いしてしまいそうです。しかし、今でも激しい雨の時には、私の頭の片隅には当時の風景が浮かび、いざという時には原田小学校に避難しなければと家族とは話をしています。

現在、見直し中の「避難勧告等の判断マニュアル」では、次のことが明記されています。

「避難は災害から命を守るための行動で、一人ひとりの命を守る責任は個人にあり、行政は住民一人ひとりが避難行動をとる判断ができる知識と情報を提供すること」と書かれ、点線で囲まれた図。

市内には地区ごとに避難する場所として近くの公民館などの命を守る避難場所と、主に避難所生活をする広域避難所が指定されています。地震や津波、洪水、土砂災害など災害種別により避難場所は異なるケースがありますので、危機管理課では、各家庭ごと、各自主防災会ごと避難場所、避難ルートを決めて頂くことを進めています。また、避難場所への避難だけではなく、家庭内に留まって安全を確保することも「避難行動」の一つです。住宅の耐震化などを進めることも掛川市が目指す「死亡者ゼロ」の実現に繋がります。

9月23日秋分の日には、市役所を会場として「減災フェスティバル」を開催し、約1,600名の市民が来場し、防災意識が高まっていると感じました。

減災フェスティバル。屋外で話を聞いている参加者の様子。

減災フェスティバル。屋内に様々な展示をしている様子。

12月3日には「土砂災害」に関する講演などの防災研修会、12月7日は地域防災訓練を計画しておりますので多くの皆さんの参加により、さらなる地域防災力の向上を進めて参ります。