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第567回 「森の都温泉ならここの湯」

2015年10月9日更新

掛川市都市建設部長 小林隆

昨年の7月、「「森の都ならここ」と私」と題して投稿させて頂いていました。その折に、「森の都温泉ならここの湯」については、次の機会に紹介させて頂くとの約束をさせて頂きましたので、この度、投稿させて頂きました。

温泉館全景のようす
温泉館全景

「森の都温泉ならここの湯」は、かねてより地域住民からの要望もあり、平成15年に地域の活性化と共に、市民の健康増進を目的に開館しました。当時私は、温泉掘削地点の選定から、掘削工事と温泉施設の整備まで、最初から最後までを関わらせて頂きました。この様な特殊なプロジェクトに関わらせて頂いたことは、私の行政キャリアの財産となり大変感謝しております。

 

先ずは、温泉について説明させて頂きます。
原泉地区悲願の温泉掘削は、平成11年頃から具体化し、原泉地区内での温泉湧出の調査を最新の電気探査機等を使用して実施した結果、ならここが温泉湧出の確立が一番高いことが判明し、平成12年10月から掘削に着手しました。そして、翌年の5月に見事、約1500メートルの地下深くから温泉の湧出に成功しました。
さて、「温泉」とは、温泉法(第二条)により次の様に定義づけされています。
温度が25度以上で、リチウムイオンや水素イオンなどの14物質の何れかが、一つでも一定以上含有されていれば温泉と呼ばれます。(言って良いのです。)
「ならここの湯」の温度は41度で、主な成分は、ナトリウムや塩素イオンをはじめとする11の物質を含有しています。このことから、泉質は「ナトリウム-塩化物温泉」と温泉分析がされています。この詳細は、公的検査機関で証明された「温泉分析書」が館内に掲示されておりますので是非ご覧ください。
尚、近隣の温泉施設を一覧表にまとめましたので、参考にして頂ければ幸いです。

近隣の温泉一覧

注1. 表をクリックすると大きな画面でご覧いただけます。

近隣の温泉一覧表

  • 森の都温泉(ならここの湯)
    泉温(41度)
    湧出量(一分毎に81.4リットル)
    泉質(ナトリウム 塩化物温泉)
    効能(神経痛・筋肉痛・関節痛等)
  • 大東温泉(シートピア)
    泉温(34.6度)
    湧出量(一分毎に116リットル)
    泉質(ナトリウム 塩化物泉)
    効能(神経痛・筋肉痛・関節痛等)
  • つま恋(森林乃湯)
    泉温(38.4度)
    湧出量(一分毎に67リットル)
    泉質(ナトリウム 塩化物温泉)
    効能(神経痛・筋肉痛・関節痛等)
  • 川根温泉(ふれあいの泉)
    泉温(47.6度)
    湧出量(一分毎に391リットル)
    泉質(ナトリウム 塩化物温泉)
    効能(神経痛・筋肉痛・関節痛等)
  • 遠州和の湯
    泉温(27.0度)
    湧出量(一分毎に90.4リットル)
    泉質(ナトリウム 塩化物温泉)
    効能(神経痛・筋肉痛・関節痛等)

温泉の掘削工事は、約30メートルの櫓を設置して非常に堅い岩盤を掘削する大変な作業でした。年末年始の間(12月30日から1月5日)だけ休工し、昼夜連続して作業を進めました。それでも一日の掘削深度は約15メートルから20メートル程度でした。現場の作業員は、全国で30本以上掘削した経験と実績を持つドリラー達の集まりでした。作業は冬季でしたので、「掛川の現場は風が吹くと非常に寒い。」とのドリラー達の言葉を懐かしく思い出します。
温泉湧出後は、温泉法等に基づく温泉分析検査等の事務手続きを進め、温泉館の建設は平成14年から着手し、平成15年9月に目出度く完成いたしました。「温泉掘削物語」は、また次の機会に書かせて頂きたいと思います。
「ならここの湯」の施設規模は、予算の都合もありましたが、効能を重視して温泉を希釈しない「源泉100パーセント」を売りとしたいことから、コンパクトなものにしました。館内はふんだんに木材を使用し、「森の都」にふさわしい建築物としました。

当時の榛村市長さんのお言葉をお借りすらならば、「ひなびしゃれた温泉」をイメージしました。

明るく清潔感のある館内のようす
ひなびしゃれた館内

山々に囲まれた暖かい陽が差し込む露天風呂のようす
ひなびしゃれた露天風呂

 

最後にひとつ。前回、「ならここ」のロゴマークは「私の宝物」と紹介しましたが、実は、「森の都温泉ならここの湯」の文字(ロゴマーク)は私の父(七年前に他界)の自筆文字です。

ひなびしゃれた」温泉には、毛筆の文字がふさわしいと言うことになり、生前父が書道を教えていたこともあって、手近に、早々に、しかも費用を掛けずに対応できると言う訳で父の力を借りることとなりました。この湯」は父が、キャンプ場の「ならここの里」は私が、親子で書かせて頂くこととなった二つの看板(ロゴマーク)は、以後、我が家の宝物となった訳です。

「森の都温泉ならここの湯」のロゴマークの立て看板
温泉のロゴマーク(館前)

ならここの湯の入り口付近のようす
温泉のロゴマーク(館入口)

 

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