掛川市消防次長兼予防課長 大石 和博
今回は「住宅用火災警報器」と地震による電気火災を防ぐ「感震ブレーカー」の設置のお願いをさせていただきます。
皆さんご存じのとおり、「住宅用火災警報器」は住宅火災からの死者を減らす目的で、全ての住宅に「住宅用火災警報器」の設置が義務づけられ、10年が経過しますが全国的にも当市においても設置率が足踏みしている状況です。
警報器は、煙や熱を素早く感知して火災の発生を知らせることで、速やかな避難を促します。
統計によると、死者が発生した火災の6割が住宅火災によるもので、その7割が高齢者の方々です。
平成27年の「住宅用火災警報器」の設置率は、全国平均が81%で静岡県が77%、掛川市は72%と、全国・県を下回っている状況であります。
火災はすべてを奪います。設置されていない住宅は早めの設置をお願いします。消防本部としては、設置率を全国レベルまでに押し上げるため、市内の全世帯にアンケート調査を実施し、設置率が低い地域から重点的に、市内全世帯の戸別訪問を展開中で、「住宅用火災警報器」の更なる設置推進と設置後の適正な維持管理について、広報活動を強化しています。
また、市内の生活の身近なところから広くPRするために、年2回の火災予防週間中に、スーパーマーケット・ホームセンター・ガソリンスタンド等に、ご協力をお願いし、「レシートに住宅用火災警報器の広報文を印字」していただく活動や、パチンコ店のご厚意により屋外の「電光掲示板」を利用して「火災予防」や「住宅用火災警報器」に関する広報文を表示していただき、市民への迅速な防火広報と防火思想の啓発を図っています。
「感震ブレーカー」は設置の義務はありませんが、設定値以上の揺れを感知した場合に、自動的に電気の供給を遮断する器具で、各家庭に設置する事で電気に起因する火災を防ぐことで、被害を大きく軽減することができます。
大震災時(阪神・淡路大震災、東日本大震災)の火災の出火原因の6割が電気を原因とする火災となっています。(出火原因が確認されたもの)
電気を原因とする火災とは、激しい揺れにより停電した場合、電気機器や室内の電気配線などが損傷した状態で再送電された場合、損傷部分がショートして火花が発生して出火したり、発熱する電気機器が地震の揺れで何らかの拍子にスイッチが入り可燃物に触れ出火することがあります。
春季の火災予防週間は3月1日から3月7日です。
今後も、より多くの事業所の皆さんにご協力をお願いして、住宅火災から命を守る活動の輪を広げていきたいと思っております。
もし寸感ホットページをご覧になり、ご協力いただける事業所様がおられましたら、消防本部予防課までご連絡をお願いします。
問い合わせ先
消防本部 予防課 電話0537-21-6104
パチンコ店の電光掲示板を利用しての火災予防広報
スーパーや量販店のレシート広報
火災警報器について良くある質問
なぜ義務化?
- 住宅火災による死者が全国で年間1,000人を超えている!
- 住宅火災により死に至った原因の約7割が「逃げ遅れ」!
設置対象は?
- 戸建住宅、共同住宅
- 併用住宅(店舗併用、事務所併用など)の住宅部分
- 建物の一部分を住宅として使用している場合の住宅部分
どこに付けるの?
- 寝室
- 寝室が2階にあれば2階の階段
- 寝室が1階だけで3階に居室があれば、3階の階段
購入先は?
- 消火器などを販売している防災専門業者、又はホームセンターなどで購入できます。「N S」日本消防検定マーク付なら安心
感震ブレーカーの種類について
分電盤タイプ(内蔵型)電気工事が必要で約5万から8万円
分電盤に内蔵又は接続した感震センサーが揺れを感知し、住宅内全ての電気を止めます。
注 分電盤の種類によっては取り付けできないものもあります。
分電盤タイプ(後付型)電気工事が必要で約2万円
分電盤に感震機能を外付けするタイプで、漏電ブレーカーが設置されている場合に設置可能。
コンセントタイプ 5千円から2万円
コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、コンセントから電気を遮断。
簡易タイプ 3千円から4千円程度
揺れによる重りの落下や感震センサーと連動したバネの作用により、分電盤のノブ(スイッチ)を操作し、住宅内全ての電気を止めます。
地震による電気火災対策を!
感震(かんしん)ブレーカーが効果的です!
東日本大震災における本震による火災全111件のうち、原因が特定されたものが108件。
そのうち過半数が電気関係の出荷でした。
地震が引き起こす電気火災とは?
地震の揺れに伴う電気機器からの出火や、停電が復旧した時に発生する火災のことです。
電気火災の事例(その1)
- 地震で本気が倒れ、雑誌が電気ストーブ周辺に散乱。
- 停電した状態から通電し、ストーブが作動。
- 紙類に着火、火災が発生。
電気火災の事例(その2)
- 家具が転倒し「電気コード」が下敷きや引裂で損傷。
- 通電の瞬間、コードがショート。
- 散乱した室内で、近くの燃えやすい物に着火。
感震ブレーカーとは?
感震ブレーカーは、地震を感知すると自動的にブレーカーを落として電気を止めます。
【感震ブレーカーの種類】
分電盤タイプ(内蔵型)
- 分電盤に内蔵されたセンサーが揺れを感知し、ブレーカーを落として電気を遮断。
- 約5万から8万円(標準的なもの)
- 電気工事が必要
分電盤タイプ(後付型)
- 分電盤に感震機能を外付けするタイプで、漏電ブレーカーが設置されている場合に設置可能。
- 約2万円
- 電気工事が必要
コンセントタイプ
- コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、コンセントから電気を遮断。
- 約5,000円から2万円
- 電気工事が必要なタイプと、コンセントに差し込むだけのタイプがある
簡易タイプ
- ばねの作動や重りの落下によりブレーカーを落として、戦機を遮断。
- 3,000円から4,000円程度
- 電気工事が不要
注 住宅分電盤の種類に適した製品をお選びください。
感震ブレーカーを設置して電気火災から「家」・「地域」を守ろう。
この資料に関するお問い合わせ先
経済産業省商務情報政策局商務流通保安グループ電力安全課
〒100-8900 東京都千代田区霞が関1丁目3番1号
電話 03-3501-1742