掛川市中央署長 太田幹雄
旧掛川市消防本部は現在の位置に昭和47年完成し、43年間活用した庁舎入り口上部に取り付けられていた「掛川市消防本部」のネームプレートが取り壊し前に取り外され段ボール箱に入れられていました。
新庁舎に記念として飾りたいとの相談があり、寸感ホットページの題材にする事で引き受けました。
旧中央消防署庁舎
文字盤を削った変化
文字盤(ネームプレート)は真っ黒で、ペーパーで削ってみると下から金色の塗装が出てきましたが、長い年月で堅く固まって中々下地が出てこない‥‥出たと思ったら真鍮製でした。
文字盤はサンドペーパーで削り、バフ掛け仕上げしました。
文字盤は壁から取り外した時に取り付けステーがちぎれているため再生させる必要が有り、銅製ならハンダ付けが可能なのですが真鍮ではロウ付けする必要があり大変な事になりました。
文字盤の裏側、取り付けステーが無い
亜麻仁油で仕上げたケヤキの板に、文字のバランスを見て取り付けるための穴を開け、文字盤取り付けステイを穴に差し込み、接着剤で固定しました。
ケヤキと文字盤
平成28年3月末に中央消防署が完成します、新庁舎のネームプレートと比べてみました。
中央消防署玄関前にて
新庁舎玄関ロビーの棚に置く事になりました、展示用額立ては落成式までに作成します。
玄関ロビー
中央消防署の火の見櫓について
火の見櫓の勇姿
掛川市内に現存する櫓型火の見櫓は3カ所有り、中央消防署に有る火の見櫓は昭和初期に各和地区に設置されていた「鐘櫓型」の物を中央消防署の敷地に移設したものです。
古き良き時代の消防活動が思い浮かびます。
消防庁舎の建設に合わせて火の見櫓を塗装したのですが、櫓に取り付けてある鐘の打ち方を書いた「打鐘信号板」が錆びていたので処理の相談がありました、文字などはホーローで書かれており現在では手間が掛かりすぎてとても制作出来ない、たいそう立派な信号板で貴重な物だと思い、また修復を引き受けてしまいました。
傷んだ信号板
永い年月を風雨にさらされ割れたホーロー部分に発生した錆を落として、亜鉛塗料で錆止めしてから出来るだけホーロー部分を残して赤と紺でペンタッチしましたが、不自然に綺麗になってしまったので、塗装でアンディーク調に仕上げ火の見櫓に取り付けて完成。
良い雰囲気に出来たのでは?(自己満足です)
信号板を取り付け