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第632回 遠州灘のめぐみ(海は食の宝庫)

2016年11月11日更新

掛川市大須賀支所長 相澤 和巳

秋もだんだんと深まりました。昨年は、メタボリック症候群の解消には「アルチューとチョキン」を掲載させていただきました。歩くことは昨年と比べて、一層依存症状が増してきました。
今回は、毎日歩いている中で、今年の春先に遠州灘(国安海岸)まで歩いている時に感じたことをお話します。
掛川市民憲章の前文にもありますように「赤石山系から遠州灘にいたる豊かな自然のめぐみに感謝し、すぐれた伝統文化と生涯学習により育まれた・・・」。この遠州灘の豊かなめぐみについて私が思っていることを紹介いたします。
掛川市は、南に遠州灘が広がり約10キロメートルの海岸線があり、年間を通じて魚介類が漁港へ水揚げされます。
その中で主な魚種には、「しらす」「かつお」「とらふぐ」「ながらみ」「さば」「タチウオ」「ヒラメ」「あじ」「たい」などがあります。

国安海岸前のシラス漁の様子
国安海岸前のシラス漁

巻貝の一種であるながらみの画像
ながらみ(キサゴ)

 

浜辺では投げ釣りを行う人も有り、大東地区では8月の「砂の祭典」開催時に釣り大会も行われ釣り愛好家の人達が成果を競うイベントもあります。十数年前までは観光地引き網漁が盛んに行われ網を引いて採れた魚をその場で調理して「刺身」や「唐揚げ」にして食べたりしていました。

また、次に紹介するのは、早春から初夏にかけての干潮時には、干潟で磯遊びや潮干狩りができます。「ハマグリ」や「ハタミ」などの貝が採れます。潮干狩りは、午前11時から午後1時位にかけての干潮時が最も適した時間帯で干潮の前後2時間位がいちばん楽しめますが遠州灘には離岸流という潮の流れがあります。本地域では「だし」とか「うど」と呼ばれていますが、沖に向かって強い潮の流れがあり、非常に危険ですので注意が必要です。地元では、通称「ハタミ」と呼ばれている二枚貝が採れます。「ハタミ」の正式名称は次の通りです

界:動物界、門:軟体動物門、網:二枚貝網、亜網:異歯亜網、科:マルスダレガイ科、属:フキアゲアサリ属、種:コタマガイと呼ばれます。和名:コタマガイ(小玉貝)は「ハマグリ」に似た形状ですが、貝が全体に薄いの特徴です。

調理の一例を紹介します。最初に採ってきた貝を海水に浸し砂出しをしてから味噌汁や吸い物、酒蒸し、バター焼き、浜焼きなどの料理方法があります。

3月から4月の時期に採れた「ハタミ」貝は柔らかく、「ハタミ」を多めの水に入れ、火にかけます。

二枚貝、ハタミとハマグリの画像
ハタミとハマグリ

次に茹で上がったら、ハタミの腸(ワタ)を取り除き小さく切り、煮汁と共にワラビ・筍などを入れ炊き込み御飯にします。残りのハタミは吸い物にして食べる。他には、酒のつまみにバター焼き、酒蒸しにする方法も結構おいしいですよ!私のお勧めは「浜焼き」で「ハタミ」の靱帯(じんたい)を包丁で切り、魚などを焼く器具にのせて焼きます。

貝の蓋が開いたら「醤油・みりん」で味を付けて焼き上がった「ハタミ」は最高においしいです。今年は寒くなってきましたのでシーズンは終わりました。来年を楽しみに待ちましょう

 

左側がハマグリ、右側がハタミ、二枚貝の画像
ハマグリ(左)ハタミ(右)

ハタミのお吸い物を、鍋からおたまで、すくい上げている様子の画像
調理の一例(ハタミの吸い物)

 

注意事項

静岡県経済産業部水産業局水産資源課発行の「海を楽しむ皆さんへ(遊漁を楽しく行うため海のマナー、遊漁に関係する法律や規則を守りましょう。)」を確認して、ルールを守って楽しみましょう。(資料冊子は、市役所等関係機関にあります。)

おまけ!
今の時期、石川小芋があります。

  1. 塩ゆでにして食べる。
  2. 塩ゆでして皮を取り、唐揚げ粉をまぶして揚げる。

(一度試してみて下さい。)