総合トップ記事第695回 『掛川が「お茶のまち」であり続けるために』

第695回 『掛川が「お茶のまち」であり続けるために』

掛川市お茶振興課長 大井敏行

お茶振興課に配属になり、早1年半が過ぎようとしております。これまで30年近く市役所に勤務してきましたが、農業畑にこれまで勤務したことが無かった私にとって、今の職場は不安でもあり、新規採用職員のような新鮮な気持ちで仕事にあたりました。

最近の茶業界全体を取り巻く情勢は大変厳しく、現状のままでは本市の茶産業も将来の継続が危惧されるような状況になっています。こうした状況を打破するため、昨年度、お茶の振興計画、輸出戦略書をまとめ、今年度より、これらを基に国内はもとより、海外にも目を向け取り組んでいます。新茶の単価は少しづつではありますが、回復傾向にありますが、まだまだ、平成11年度のピーク時に比べると低い位置で推移しています。何とかここまでもっていけるよう生産者、流通業者と膝を交えた打ち合わせを行っているところです。

青々と茂る茶畑

さて、平成25年5月に掛川市をはじめとする静岡県のお茶の伝統的栽培方法『茶草場農法』が世界農業遺産に認定され、また、全国茶品評会深蒸し茶の部では10年連続で「産地賞1位」を獲得するなど、国内屈指の茶産地をいかに情報発信し、販売へ結びつけるかが鍵となってきます。

こうした状況の中、平成28年度に策定したお茶振興計画では、「美味しい」「健康」「環境」の3つのキーワードで、掛川茶ならではのブランドの確立を掲げました。

まずは一つ目の「美味しい」は、安心安全で高品質な掛川茶を皆様にお届けし続けるということです。毎年各種の茶品評会において掛川市内の生産者が多数上位に入賞しており、その優れた実績が掛川茶の品質の高さを証明してきました。とりわけ、本年度、全国茶品評会では、深蒸し煎茶の部において、通算20回目となる産地賞を受賞し、掛川市の存在感を改めて全国に轟かせました。今後も品評会で上位入賞を続けることが皆様へ「美味しい」掛川茶をお届けすることに直結します。市としても、市内生産者の品評会出品を後押ししていきます。

次に二つ目の「健康」について、掛川市はいち早く緑茶の効能に着目し、平成21年度から23年度にかけ「掛川スタディ」と称し緑茶が人に与える影響の調査を市民を対象として実施した結果、LDLコレステロールの減少、ウエストも細くなるというすばらしい結果を得ることができました。また、厚生労働省の調査では、掛川市が全国10万人以上の都市の中で、ガンによる死亡率が全国で男女とも1番低いまちという調査結果も出ております。

三つ目の「環境」は、世界農業遺産「静岡の茶草場農法」の継承・活用です。世界農業遺産とは、伝統的農業や文化、土地景観の保全と持続的な利用を図るため、食の安定確保を目指す国際組織である国際連合食糧農業機関(FAO)が認定するものです。茶草場から刈り取ったススキなどの草を茶園に敷く農法が希少な種を含む多様な動植物の保全に貢献しており、農業生産活動と生物多様性の保全が両立していることが評価されたものです。これらの茶草場農法で生産されたお茶の魅力を消費者に伝えることで、ブランド化・高付加価値化につなげていきます。

以上の3つのキーワードによるブランド確立の紹介をさせていただきましたが、海外にも目を向け、輸出に対応した生産・流通体系の体系の構築、認知度向上のため、積極的に海外展開をしてまいります。

今後は、急速に変化する茶業界において、掛川市が茶生産地として、持続的に発展し、掛川市民をはじめ世界中の人々がおいしい掛川茶を楽しむことのできる暮らしを引き継いでいくため、行政はもとより、生産者、流通業者と力を合わせ、オール掛川により取り組んでまります。

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