第60回 「東京人口は、本当に増えているのか」
東京人口は、本当に増えているのか
「東京は今も人口が増え続けている。」——本当にそうでしょうか。数字を見てみると、少し違った姿が見えてきます。
■ 数字の裏側を見る
『デフレの正体』『里山資本主義』などで知られる藻谷浩介氏が最近、東京を離れ、九州の地方都市へ移住したと聞きました。その理由は、今後東京では医療や介護の奪い合いになると考えたからだそうです。この話に関心を持ち、データを確認してみました。
東京都は出生数より死亡数が多い「自然減」ですが、地方からの転入や外国人の増加による「社会増」が上回っています。一方、法政大学の小黒一正教授は、国勢調査に住民基本台帳を加えた分析から、日本人人口は2021年をピークに減少局面へ入ったと指摘しています。
■東京も急速に老いていく
東京都は、他の46道府県が人口減少する中でも、2040年頃までは総人口が増え続けると見込まれています。しかし、その増加のほとんどは65歳以上です。
子どもの数は減少し、現役世代もいずれ頭打ちとなる一方、2050年には2020年比で東京都だけで65歳以上の高齢者が約106万人増えると推計されています。医療や介護の需要急増は避けられません。
これまで東京は地方の若い世代によって発展してきましたが、その地方でも若者自体が減っています。東京への流入が細る一方、現在の居住世代が急速に高齢化していく構造変化は、長年続いた東京一極集中が崩れ始めている兆しではないでしょうか。
■ 選ばれる掛川へ
こうした時代だからこそ、地方都市に求められるのは、安心して子育てができ、歳を重ねても住み続けられる地域をつくることです。
掛川市は、豊かな自然と都市機能、新幹線や高速道路の利便性、地域に根差した医療や教育、人と人とのつながりに加え、AIオンデマンド交通など新しい挑戦も進めています。
これからの時代に選ばれるまちとは、一人ひとりが自分らしく暮らし、将来に希望を持てるまちではないでしょうか。東京一極集中の時代から、地域が選ばれる時代へ。その変化をチャンスに変え、共に掛川の未来を創っていきましょう。

