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茶草場農法とは?

2023年9月12日更新

お茶畑と山の風景

茶草場農法とは?

茶草場農法とは、茶園周辺で刈り取ったススキやササなどを、茶畑に有機肥料として投入する農法です。
この投入する草を刈り取る採草地を「茶草場」と言います。
かつては日本各地で見られたこの農法ですが、時代の変化にともない、現在では静岡県など、ごく一部のみで続けられています。


 

茶草を刈り高く積んで干している風景
刈り干ししている茶草(かっぽし)

干した茶草を茶畑に投入した様子
茶草を投入した茶畑

 

茶草場農法の流れ

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1.草を刈る

 

 

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2.乾燥させる

 

 

 

 

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3.細断する

 

 

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4.茶畑の畝に敷く

 

 

 

 

 

茶草場農法で「高品質なお茶づくり」

茶草場農法を実践することで、以下の効果が得られます。

①土壌の保湿・保温
②雑草の抑制
③大雨時の流出防止
④敷いた茶草が、分解されやがて堆肥になる

これらが良い土をつくり、高品質なお茶をつくります。

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茶草場農法が「貴重な生物を守る」

茶草場には、絶滅危惧種や固定種を含めた、300種以上の動植物が生息しています。

茶草場は茶農家が方々が茶生産のために管理しているため、河川などの草地とは違い、年1回、晩秋~冬にかけて草を刈り、運び出します。

①人の手が入ることで、草地が藪や森になることなく維持される
②植物が種を落とした後である秋冬に刈ることで、来春にまた芽を出すことができる
③草を刈り、運びだすことで、生存競争の弱い背丈の低い植物にまで日光が当たる

茶農家の方々が草地を管理することで、草地でしか生きることができない動植物が守られているのです。

カケガワフキバッタ
カケガワフキバッタ(固有種)

 

フジタイゲキ
フジタイゲキ(絶滅危惧種)

 

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キキョウ(絶滅危惧種)

 

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カワラナデシコ(絶滅危惧種)

かつて日本では、草を肥料や屋根として活用していましたが、生活の変化により使われなくなり、約100年前に国土の13%を占めていた草地は今や1%未満となっています。
そのような中、草地を維持している「静岡の茶草場農法」は次世代に残すべき貴重な農法です。

 

 

世界に注目される茶草場農法

茶草場農法は、良いお茶をつくりたいという茶農家の方々の努力により、本来ならば自然を破壊し得る経済活動(農業)と生物多様性が同じ方向を向いて両立させており、それが世界的にも希少な事例として評価を受け、2015年に世界農業遺産に認定されました。

茶生産×生物多様性(1).jpg

 


また、SDGsの「陸の豊かさを守ろう」を初めとした17の目標の達成に大きく貢献しています。
SDGsに通ずる伝統的な知恵や技術が息づいた、よりよい未来を創造する農業モデルの1つとして注目され、茶草場農法を学ぶため、国内外から多くの方が掛川市を訪れています。

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関連リンク

資料ダウンロード

世界農業遺産静岡の茶草場農法.png 世界農業遺産静岡の茶草場農法リーフレット

世界農業遺産静岡の茶草場農法A4.png 世界農業遺産静岡の茶草場農法パンレット

掛川エリア.png 世界農業遺産静岡の茶草場農法「掛川エリア」

世界農業遺産を旅しよう01.png 世界農業遺産を旅しよう#01「美景と茶を楽しむ旅」

世界農業遺産を旅しよう02.png 世界農業遺産を旅しよう#02「知的好奇心の旅」

 

世界農業遺産を旅しよう03.png 世界農業遺産を旅しよう#03「歩く・登る・走る旅」

茶草場農法子ども向けパンフ.png 世界農業遺産「静岡の茶草場農法」子ども向けパンフレット

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