令和5年度一般会計・特別会計・企業会計決算がまとまり、8月の市議会定例会で認定されましたのでお知らせします。
令和5年度各種会計決算の状況
掛川市には、一般会計のほかに、11の特別会計と5つの企業会計があります。
令和5年度各種会計決算の状況は下記の通りとなります。
会計 | 歳入(収入済額) A | 歳出(支出済額) B | 歳出 対前年比 | 差し引き A-B |
---|---|---|---|---|
一般会計 | 520億9,684万円 | 500億8,498万円 | 97.6% | 20億1,186万円 |
会計 | 歳入(収入済額) A | 歳出(支出済額) B | 歳出 対前年比 | 差し引き A-B |
---|---|---|---|---|
国民健康保険 | 118億7,040万円 | 116億9,417万円 | 99.3% | 1億7,623万円 |
後期高齢者医療保険 | 14億9,849万円 | 14億9,395万円 | 105.7% | 454万円 |
介護保険 | 104億1,766万円 | 100億3,528万円 | 102.5% | 3億8,238万円 |
公共用地取得 | 5億3,103万円 | 147万円 | 100.0% | 5億2,956万円 |
掛川駅周辺施設管理 | 8,362万円 | 7,908万円 | 135.4% | 454万円 |
大坂・土方工業用地整備事業 | 9億2,897万円 | 9億2,897万円 | 91.9% | 0 |
財産区 | 2,470万円 | 1,094万円 | 102.1% | 1,376万円 |
会計 | 歳入(収入済額) A | 歳出(支出済額) B | 歳出 対前年比 | 差し引き A-B |
---|---|---|---|---|
水道事業 収益的収支 | 31億151万円 | 28億4,491万円 | 96.5% | 2億5,660万円 |
水道事業 資本的収支 | 6億4,196万円 | 15億5,763万円 | 99.6% | △9億1,567万円 |
簡易水道事業 収益的収支 | 1,563万円 | 1,741万円 | 101.7% | △178万円 |
簡易水道事業 資本的収支 | 824万円 | 853万円 | 656.2% | △29万円 |
公共下水道事業 収益的収支 | 18億2,989万円 | 17億8,450万円 | 97.4% | 4,539万円 |
公共下水道事業 資本的収支 | 17億4,021万円 | 22億6,613万円 | 123.0% | △5億2,592万円 |
農業集落排水事業 収益的収支 | 2億9,200万円 | 2億9,201万円 | 96.7% | △1万円 |
農業集落排水事業 資本的収支 | 8,218万円 | 1億3,063万円 | 128.3% | △4,845万円 |
浄化槽市町村設置推進事業 収益的収支 | 2億655万円 | 2億656万円 | 99.4% | △1万円 |
浄化槽市町村設置推進事業 資本的収支 | 315万円 | 4,837万円 | 100.9% | △4,522万円 |
- 財産区は、上西郷、桜木、東山、佐束、倉真の5地区の合計。
- 収益的収支は1年間の事業活動に関する利用料金などの収入と、受水費や汚水処理費、一般職員の給与などの支出
- 資本的収支は施設整備のための企業債や一般会計出資金などの収入と、建設工事費などの投資的経費や企業債の元金償還金などの支出
一般会計の概要
歳入額 520億9,684万円(前年度比 13億4,908万円減)
歳入の特徴
- 国庫支出金が、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の減などにより、前年度から 8億 8,773万円減少したこと。
- 県支出金が、農業施設災害復旧費補助金の皆増などにより、前年度から 2億 4,013万円増加したこと。
- 繰入金が、大坂・土方工業用地整備事業特別会計繰入金の増などにより、前年度から 4億 8,408万円増加したこと。
- 市債が、臨時財政対策債の減少などにより、前年度から 11億 1,340万円減少したこと。
歳入の内訳
自主財源(55.9%)
市がみずからの基準で収入できるもの
- 市税
- 211億5,853万円(40.6%)
- みなさんが掛川市に納めていただいた税金です。
- 諸収入
- 27億6,945万円(5.3%)
- 市営住宅共益費などです。
- 繰越金
- 21億2,657万円(4.1%)
- 前年度からの繰越金です。
- 繰入金
- 13億4,697万円(2.6%)
- 各種基金(貯金)や特別会計から一般会計へ繰り入れたお金です。
- 寄附金・財産収入
- 9億8,982万円(1.9%)
- ふるさと納税や市有財産の貸し付け収入です。
- 使用料、手数料
- 5億5,794万円(1.1%)
- 施設の利用や住民票の発行時などに納めていただいたお金です。
- 分担金・負担金
- 1億8,105万円(0.3%)
- 農道の整備などに係る地元負担金などです。
依存財源(44.1%)
国や県の基準により収入されるもの
- 国県支出金
- 116億2,787万円(22.3%)
- みなさんが国や県に納めていただいたお金の一部です。
- 地方交付税
- 45億7,185万円(8.8%)
- みなさんが国に納めていただいたお金の一部です。
- 地方譲与税・各種交付金
- 45億1,419万円(8.7%)
- みなさんが国や県に納めていただいたお金の一部です。
- 市債
- 22億5,260万円(4.3%)
- 事業を行うために国や銀行などから借りたお金です。
市民一人当たりの市税額
納めていただいた市税を一人当たりに換算すると 183,942円
- 固定資産税 85,027円
- 市民税 73,175円
- 都市計画税 14,548円
- 市たばこ税 6,856円
- 軽自動車税 4,111円
- 入湯税 225円
歳出額 500億8,498万円(前年度比 12億3,437万円減)
歳出の特徴
- 地域経済活動活性化事業費の減などにより、商工費が5億2,150万円減少したこと。
- 合併推進道路整備事業費の減などにより、土木費が4億2,284万円減少したこと。
- 新型コロナウイルスワクチンの需要減に伴うワクチン個別接種委託料の減などにより、衛生費が4億1,874万円減少したこと。
歳出の内訳
- 民生費
- 168億874万円(33.6%)
- 障がい者や高齢者に対する福祉、子育て支援のための経費です。
- 総務費
- 62億2,875万円(12.4%)
- 市有財産の管理、まち協や自治区への支援などの経費です。
- 教育費
- 58億2,651万円(11.6%)
- 学びの充実や学校施設を管理する経費です。
- 公債費
- 54億4,641万円(10.9%)
- 建設事業などを行うために借り入れたお金の返済金です。
- 衛生費
- 53億3,372万円(10.6%)
- 市民の健康づくりやごみの収集などの経費です。
- 土木費
- 43億3,840万円(8.7%)
- 道路・河川・公園の整備などにかかる経費です。
-
- 15億6,041万円(3.1%)
- 労働環境や福利厚生の経費です。
- 農林水産業費
- 14億2,912万円(2.9%)
- 安全安心な農産物の供給などの経費です。
- 消防費
- 13億9,458万円(2.8%)
- 地震・津波などの防災対策や消防活動の経費です。
-
- 10億165万円(2.0%)
- 産業の活性化や観光振興などの経費です。
- その他
- 7億1,669万円(1.4%)
- 議会費、災害復旧などの経費です。
事業名 | 決算額 |
---|---|
こども医療費助成事業 | 6億8,818万円 |
海岸防災林強化事業(防潮堤整備) | 5億6,671万円 |
ひきこもり地域支援センター事業 | 940万円 |
自走式草刈機活用事業 | 118万円 |
都市計画税の使途
都市計画税は、街路、下水道、区画整理などの都市計画事業に要する費用に充てるために課税される目的税です。令和5年度は、前述の都市計画事業をはじめ、都市計画事業のために借り入れた地方債の償還に充てられました。
都市計画税が使われた事業と財源内訳紹介(令和5年度)
都市計画事業費等合計 30億5,371万円
都市計画事業費等
- 都市計画事業の地方債償還 15億9,930万円
- 下水道(公共下水道建設事業費) 11億1,099万円
- その他(都市再生事業費等) 3億2,906万円
- 街路・公園 1,436万円
都市計画事業費等の財源内訳
- 都市計画税 16億7,348万円
- 地方債 7億4,840万円
- 国庫(県)支出金 5億140万円
- 一般財源 9,706万円
- 負担金その他 3,337万円
財政の健全性を示す5つの指標
掛川市の財政の健全性
掛川市 きんじろうくん
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」の規定により、令和5年度決算に基づく健全化判断比率と公営企業の資金不足比率を算出しました。掛川市は全ての指標において、財政上のイエローカードを示す早期健全化基準を大きく下回っており、財政状況が健全であることがわかります。
1.実質赤字比率
令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 早期健全化基準 | 財政再生基準 |
---|---|---|---|---|
なし | なし | なし | 11.90% | 20.0% |
すべての会計が黒字のため、該当なし
2.連結実質赤字比率
令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 早期健全化基準 | 財政再生基準 |
---|---|---|---|---|
なし | なし | なし | 16.90% | 30.0% |
すべての会計が黒字のため、該当なし
3.実質公債費比率
令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 早期健全化基準 | 財政再生基準 |
---|---|---|---|---|
7.7% | 7.6% | 7.9% | 25.0% | 35.0% |
比率は3年間の平均値で算出されますが、長期債償還元金の増などにより、数値が悪化しました。
4.将来負担比率
令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 早期健全化基準 |
---|---|---|---|
28.4% | 20.4% | 15.6% | 350.0% |
一般会計の債務の減少や、都市計画税収入の増加などにより、数値が好転しました。
5.資金不足比率
令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 早期健全化基準 |
---|---|---|---|
各公営企業 会計なし | 各公営企業 会計なし | 各公営企業 会計なし | 20.0% |
すべての公営企業会計において資金不足は発生していません。
注 一般会計等とは、一般会計および公共用地取得特別会計、掛川駅周辺施設管理特別会計の3会計を合算したものです。
注 公営企業会計とは、国民健康保険および後期高齢者医療保険、介護保険、大坂・土方工業用地整備事業、水道事業、簡易水道事業、公共下水道事業、農業集落排水事業、浄化槽市町村設置推進事業の9会計を合算したものです。
将来、負担すべき債務は前年度差約4億円の減
将来負担額は、691億3,811万円で、令和4年度に比べ約4億円減少しました。
これは、一般会計や公営企業、一部事務組合の地方債償還が進んだことなどによるもので、9年連続の減少となりました。
将来負担額は、平成24年度に新病院建設により地方債負担分が大きく増加してピークに達しましたが、その後は順調に減少しています。
平成19年度から始まった「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」の規定による算定以降、最も低い水準となりました。
将来負担額 691.4億円(市民一人当たり 601,071円)
- 一般会計等地方債残高406.1億円
- 債務負担行為に基づく支出予定額 24.8億円
(幼保園の建設債務など将来支出が予定されているもの) - 他会計地方債残高(一般会計等負担分) 156.2億円
(公共下水道などの特別会計への繰出見込額) - 一部事務組合等地方債残高(一般会計等負担分) 45.1億円
(掛川市・袋井市病院企業団などの一部事務組合への負担見込額) - 退職手当負担見込額 59.2億円
負担額からの控除財源 654.1億円(市民一人当たり 568,644円)
- 地方債の償還などに充当可能な基金 93.2億円
(借入金の返済に充てることができる積立金) - 地方債の償還などに充当可能な歳入 147.6億円
(借入金の返済に充てることができる歳入) - 地方債残高に係る普通交付税基準財政需要額算入見込額 413.3億円
(借入金に対して国が地方交付税により交付するもの)