市議会8月定例会の開会に際し、行政報告を申し上げます。
高校野球・甲子園大会、パリパラリンピック開会について
はじめに、高校野球・甲子園大会、パリパラリンピック開会について、申し上げます。
8月7日に開幕した夏の甲子園「第106回全国高等学校野球選手権大会」では、掛川西高校が1998年以来、26年ぶりの出場を果たしました。8月10日に行われた1回戦では、集中打と粘り強い守備で山梨県代表の日本航空高校に見事勝利し、60年ぶりの校歌が甲子園に響き渡りました。8月15日の2回戦では惜しくも負けてしまいましたが、大勢の市民が現地での応援やパブリックビューイングに駆けつけるなど、大いに盛り上がり、掛川市に活気を与えてくれました。選手並びに学校関係者の皆様、支援していただいた全ての方々に感謝申し上げます。
次に、8月28日に開幕したパリパラリンピックにおいて、掛川市出身であり、前回の東京パラリンピック自転車競技で2つの金メダルを獲得した杉浦佳子選手が出場されます。
今回は、5種目にエントリーされており、最初の種目の女子3000メートル個人追い抜きは、大会第2日の29日に行われ、メダル獲得とはなりませんでしたが、5位入賞と残り4種目へ期待が持てる力強い走りを見せてくれました。
市民の皆さまには、ロード種目での連覇と東京で果たせなかったトラック種目でのメダル獲得にチャレンジする杉浦さんに注目し、応援していただきたいと思います。
熱中症対策について
次に、熱中症対策について、申し上げます。
連日の記録的な猛暑により、今年度39回の熱中症警戒アラートが発表され、発表回数が過去最多を更新しました。8月28日時点で、熱中症による救急搬送者数も前年度対比1.5倍の112人となっており、死亡例も出るなど危険な状態が続いております。
掛川市では、市民に対し同報無線等により、熱中症への警戒と熱中症対策の徹底の呼びかけを行うとともに、熱中症に対する正しい知識を習得し普及啓発を行える人材育成のため、WEB上で行う熱中症対策アンバサダー講座の受講案内を行っております。
また、過去に例がない広域的な危険な暑さにより、人の健康に係る重大な被害が生ずる恐れがある場合には、より警戒度の高い「熱中症特別警戒アラート」が発表されます。この発表があった場合に備え、暑さから避難するための施設として「クーリングシェルター」の指定を市内の公共及び民間の44施設に行っており、今後も指定数の増加に向け、民間企業等への協力要請を行ってまいります。
今後も、暑い日が続くことが想定されますので、市民の皆さまにおかれましては、適切な冷房の使用、こまめな水分補給、猛暑の中での運動を控えるなど、日頃から熱中症対策に心がけていただくとともに、状況に応じてクーリングシェルターを利用していただきますようお願いいたします。
多死社会のまちづくりを考える会議について
次に、多死社会のまちづくりを考える会議について、申し上げます。
掛川市では、令和3年度まで1,200人前後だった死亡者数が令和4年度には1,400人を超えました。また、令和5年12月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した人口推計では、2045年ごろに65歳以上の人口がピークとなることが予想されております。
このような団塊の世代の高齢化による本格的な多死社会の到来は、空き家や耕作放棄地の増加、自治会機能の低下や崩壊、買い物難民や介護難民、要介護者の増加、防犯力の低下による犯罪の増加など、様々な課題が発生することが予想されます。
これらの課題に対し、人口が減少しても市民が安心して生活し続けられるための事前の対策を協議する「多死社会のまちづくりを考える会議」をこの度創設しました。
委員は、高齢社会の課題解決に精通する静岡大学の須藤(すとう)智(まさる)教授をはじめ、介護医療従事者、ファイナンシャルプランナー、司法書士など、多死社会に関係する分野の有識者や市民代表で構成されております。
第1回の会議は、台風10号の影響のため、昨日8月29日の開催を9月に延期しましたが、10月と12月の計3回の開催を予定しております。
いただいたご助言やご意見は、来年度事業に盛り込むとともに、第3次総合計画にも反映させてまいります。
環境の持続可能性への取り組みについて
次に、環境の持続可能性への取り組みについて、申し上げます。
7月に始まった省エネ性能に優れたエアコンや冷蔵庫などの購入を補助する「省エネ家電購入費補助金」については、順調に申請が増えており、1,500件の予算枠に対して約700件の申請を受け付けております。対象製品の購入期間は9月末までとなりますので、引き続き、家電店とも連携し、多くの市民にご活用いただけるよう周知してまいります。
続いて、「掛川モデル製品プラスチック資源循環」実証実験については、4月20日から9月30日まで、カインズ掛川店で行っており、3ヶ月間で約33トン回収しました。残り1ヶ月となりますが、実装を見据え引き続き分析と検証を進めてまいります。
「使用済み紙おむつ再資源化実証実験」については、掛川SDGsプラットフォーム共創事業として、中遠環境保全株式会社、株式会社プラントシステム、株式会社レックスと連携し、使用済み紙おむつの固形燃料化に向け、10月頃から1ヶ月程度実施する予定であります。また、県の「使用済紙おむつ再資源化実証事業」に選定されたため、県と共同実施に係る協定を締結し、使用済紙おむつの再資源化に向けた研究を進めてまいります。
引き続き、省エネや資源化の促進、更なるごみ減量に取組んでまいります。
DX推進の取り組みについて
次に、DX推進の取り組みについて、2点申し上げます。
まちのDXの取り組みとして、6月補正予算で承認いただいた「共創・MaaS実証プロジェクト」の「モビリティ人材育成事業」について申し上げます。
本事業は、7月末に公募型プロポーザルにより事業者を選定し、現在は業務委託契約の準備を進めているところであります。
今後は、掛川市、タクシー事業者、バス事業者、地域まちづくり協議会、教育委員会等で構成する「掛川市交通DX実用化共創プラットフォーム」を立ち上げ、掛川市の様々な交通データの分析結果に基づく講義の開催や先進事例の検討を行うほか、「ワークショップ」を通じて参画者同士が掛川市の公共交通の課題やその解決策について協議することで、掛川市にとって最適な公共交通体系を検証してまいります。
続いて、行政のDXの取り組みについて、申し上げます。
市民の皆さまが各地域で気軽に、簡便な手続きでスポーツに親しめる環境をつくるため、小中学校体育館やグラウンドの学校活動時間外での利用に関して、インターネットを通じて施設の空き状況を把握し、いつでも予約ができるシステムや、対人での鍵の受渡しが不要なスマートキーの導入、さらに、クレジットカードやコンビニでの支払いが可能なキャッシュレス決済システムの導入を現在進めております。
7月にプロポーザルにより業者選定を行い、掛川市の現状に合わせた予約システムの構築に着手したところであります。年内を目途に予約システムを構築し、スマートキー及びキャッシュレス決済システムとの連携を進め、1月以降に西山口小学校及び大須賀中学校へ先行導入し、運用実証を行う予定であります。
以上、行政報告とさせていただきます。
令和6年8月30日