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第605回 身近なところで起きる自然災害について

2016年6月10日更新

掛川市都市建設部付参与 太田 勝

これまで様々な土木現場を担当する中で、多くの災害現場に立ち会う機会がありました。その度に、想像もしないような自然の力に驚かされます。
ニュースで、「こんな災害は初めて」とか「自分には関係ないと思っていた」とインタビューに答えている姿を目にしますが、“想定外の災害が毎年のように身近なところで発生している”というのが、自分の経験から得た感想です。
また同様に実感するのが、災害を復旧し乗り越え、支え合う多くの人の力です。
今回は、記憶に残る近年の災害を紹介するとともに、災害ボランティアに参加した体験を報告します。

毎年発生する自然災害

丸1の写真は、平成20年に県東部において、道路の上側斜面から落石防止柵を破って巨大な石が落下し、道路を塞いだ災害です。土砂崩れは度々経験しましたが、これほど大きな落石は初めての経験でした。夜間に降った大雨による災害ですが、朝、通報を受けて現場を見たときには目を疑いました。
丸2の写真も丸1の写真と同じ大雨で発生した土石流災害です。国道に大量の土砂が流れ出し、夜半から警察や消防と出動し、応急対応や交通規制を行いました。

道路上側斜面から落石防止柵を破って巨大な石が落下し通行止めになっている写真丸1

大雨が道路に溜まり土石流災害となっている写真丸2

3の写真は平成22年に県東部で発生した地すべり災害です。道路のブロック積に亀裂が確認されたことから通行止めの規制を行いましたが、その2日後に山が崩れて道路を塞いでしまいました。

道路のブロック積に亀裂が確認され通行止めをしている作業員と道路の写真。その後、山崩れでふさがっている道路の写真丸3

道路に亀裂が入り海側に向かって道路が落ちている地すべり災害の写真丸4

丸4の写真は平成25年に県中部で発生した地すべり災害です。深夜に降った雨で道路に亀裂が入り通行止めの規制を行いました。翌日には亀裂が拡大し、道路に大きな段差が生じました。

丸3の写真、丸4の写真では交通規制した後に拡大した道路災害であったため、人的被害が無かったことは幸いでした。
自然災害に対しては、防災訓練等の日頃からの備えが大切だと実感しています。

 

災害ボランティア

スコップやバケツの道具を持ち、リュックを背負って集まる災害ボランティアの人々

平成27年9月に大きな水害にみまわれた関東地域において、災害ボランティアに参加しました。被災地に隣接した市の工場内に設置された駐車場に早朝集合し、社会福祉協議会が設置した災害ボランティアセンターへバスで移動、受付、傷害保険への加入、グループ分け等してから被災した住宅の家財搬出や清掃等に向かいました。
弁当や飲料水等はもちろん持参。被災地では写真撮影等、被災された皆さんに気を使わせることは控えることがマナーです。スコップやバケツ等の道具はボランティアセンターで貸し出していただきましたが、持参する人も大勢います。
初日(19日)はセンター立ち上げから1週間ということもあり、経験豊富な人たちがほとんどでした。まだまだ蒸し暑い時期で、水につかった畳やフトンの搬出等、力仕事を協力し合って行いました。1軒を7名グループで活動しましたが、他の参加者は広島県や岐阜県等から来たとのこと、私が最も近くて驚きました。

 

私は、車中泊して3日間参加しました。日を追う毎に参加者は増え、徐々に県内の学生や女性のボランティアが目立ち始めました。作業も、3日目は浸水した住宅の清掃を行いました。
広島県から参加した男性とは3日間、一緒に活動させてもらいましたが、阪神・淡路の震災をきっかけにボランティアを始め、新潟や東日本の震災、広島の土砂災害等でも参加されたとのことでした。活動中も決して驕る様なことは無く、初心者と一緒になって活動している姿を見て、人の絆や支え合う人の力があれば、どんな災害でも必ず復旧できると感じました。
また、3日目からは、NEXCO高速道路株式会社の協力で高速道路料金を免除してもらえることになりました。多くの企業の皆さんによる様々な形での支援も、とても心強いと感じました。
まだまだ復旧途中の東日本や、大地震の被害にあわれた熊本の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

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