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第659回 「私の健康人生設計ノート」をご活用ください。

2017年4月28日更新

掛川市健康福祉部長 深谷 富彦

30年前、昭和62年(1987年)の平均寿命は、男性は75.61歳、女性は81.39歳で、現在は、男性80.79歳、女性87.05歳となり、5歳以上長寿となり男女とも80歳を超えました。
しかし、必要なことは単に長寿ではなく健康長寿でなくてはなりません。
掛川市では、一昨年からお達者度県下一を目指し、「かけがわ生涯お達者市民推進プロジェクト」を展開しています。そして、この4月、課の名称変更で高齢者支援課が健康長寿課、保健予防課は健康づくり課となり、より健康を意識することになりました。
私はといえば、定年まで残りあと2年というスタートを健康福祉部で迎え、平均寿命まで生きられると仮定しますと、あと約20年の「健康人生設計」を立てないといけないと感じています。

「健康人生設計」といえば、年度末に「掛川版エンディングノート(私の健康人生設計ノート)」ができあがりました。
もともとは、「掛川版エンディングノートを作成し、自らが望む、人生の最終段階における医療や過ごし方などを書き記し、近親者とよく話し合うことのできる環境をつくること」という議会からの政策提言からですが、この作成に当たっては、健康長寿課(昨年度までは高齢者支援課)が中心となり、各関係機関の代表者に策定委員をお願いし、様々な立場から意見を聞きながら、掛川版エンディングノートの完成となりました。
この掛川版エンディングノートには大きな特徴があります。

まずは、単なるエンディングノートにしたくなかったこと、あくまでも健康づくりが基本となること。そして、記入に当たっては、家族みんなで相談しながら記入してほしいという思い・・・そんな委員の皆さんの思いが詰まった、健康づくりのための「健康設計編」と、重い病気にかかったときや介護が必要となったときのための「エンディング編」の2つのテーマを、1つにまとめたことです。
そして何よりも記入しやすいことを目指し、委員会で協議し、庁内会議や議会でも意見を伺い、いろいろな考えや意見を聞きながら、何とか完成となりました。
作成までの過程では、「家族のいない人は、どうする?」、とか「1人世帯はどうします?」といった意見や、「表紙の絵は理想的過ぎる」といった意見、「どこへ置けばおけばいいのか?」、「遺書になるのか?」、「考えが変わったときはどうするのか?」と言った意見もありました。
行政としてエンディングノートを作成することには個人的には少し違和感もありましたが、それぞれの委員の皆様はそれぞれの立場からその必要性を認識してくれて、最終的には、掛川市健康人生設計ノート策定委員会として発刊することとなりました。

現在、5箇所の「ふくしあ」のほか、徳育保健センター、中央図書館、大東図書館、大須賀図書館、たまりーな、地域生涯学習センターにおいて無料で配付しています。
また、市のホームページからダウンロードしていただくことも可能です。

まずは、自分で書いてみて、これまでの人生を振り返って見てください。そして、これからも健康を維持していくには、どうしたらいいでしょうか・・・これから健康を取り戻すには、どうしたらいいか、考える機会にしてほしいと思います。
そして、もしも病気になってしまったらどんな治療をしてほしいか、残された家族が困らないように・・・・・・・ホームページをちょっとのぞいて見てください。

私の健康人生設計ノートと題したノートの表紙裏表紙の見開き。左側表紙に健康設計編右側裏表紙にエンディング編

「掛川版エンディングノート(私の健康人生設計ノート)」の内容を紹介します。
掛川市健康医療基本条例の第4条第4項で、市民の役割として「市民は、自らが望む人生の最終段階における医療や過ごし方を書き記すとともに近親者と意思疎通に努めるものとする。」と定められており、このノートはその手段の1つとして策定委員会を組織して作成されたものです。
題名は「私の健康人生設計ノート」とし、今の自分の健康を見つめ、更に自分なりの健康を目指す「健康設計編」と、重い病気にかかったときや介護が必要になったときのことなどを記入する「エンディング編」で構成し、右開き、左開き、それぞれ両面を表紙として製本されています。

まず、「健康設計編」では、「はじめに」において「将来の自分がどんな健康状態でありたいかを見つめ、自分の生き方にあった健康を考え、実現を目指していく健康設計が大切です。」とし、「さらに豊かな人生を送るために、自身の生き方や価値観に合わせた健康設計をしてみましょう。」と、呼びかけています。

1ページは、「わたしの健康状態」として、現在の健康状態(身長、体重など)や、過去の病歴や、かかりつけ医などを書くページ、2ページは、運動や、食事などについて自分の健康目標を書くページとなっています。3ページから6ページでは、「運動」や、「食事・栄養」、「社会参加」、「自分の生活習慣」を振り返るページを設け、7ページでは、これから増加が予想される「認知症」の予防のページを設けてあります。

「エンディング編」では、「はじめに」において「あなたは、『近い将来、自分の意思がもう誰かに伝わらなくなるとしたら、今、誰に、何を伝えておきたいか』ということを考えたことがありますか?」、を書き出しに、「もしもの時の備えとして、家族や大切な人たちと話をしながら記して欲しい」とし、策定委員会の思いを記載しました。

1ページは、自分について書くページ。いわゆる自己紹介です。2ページは、自分の振り返りや、これからやりたいこと等を書くページ、3ページは、重病になったとき、病名や余命の告知を望むのか、また回復が困難な状態で、延命治療を望むのかを書くページです。4ページ、5ページには、「介護が必要になったとき」についての考え方や、「成年後見制度について」を掲載しました。6ページは、「最期の迎えかた」。最期を迎えるとき、どうしたいか、又は、どうして欲しいか等の希望を書くページです。7ページは、「葬儀とお墓」のこと、8ページは、「家系図」を記載するページで残された家族に向けて、葬儀や親戚づきあいの判断材料ともなるページを設けました。

お近くのふくしあ、地域生涯学習センター等で是非、お求めください。
そして、家族皆で話し合って記載していただけるとうれしいです。

目指せ!! 生涯お達者市民 目指せ!! 健康長寿 日本一左側に私の健康人生設計ノートエンディング編の表紙右側に私の健康人生設計ノート健康設計編の表紙