総合トップ記事第713回 味わい深き"遠州横須賀文化"

第713回 味わい深き"遠州横須賀文化"

2018年2月16日更新

掛川市大須賀支所長 柴田忠義

寒い寒い、2月は寒い!
「脳みそも凍えている…」などとぼやきつつ、思いつくままの乱筆をお許しください。

私は昨年春から大須賀支所に配属され、4月の「三熊野神社大祭」に始まり、9月の「小祢里ちいねり」、10 月の「ちっちゃな文化展」と、遠州横須賀ならではの文化を、日々肌に感じて過ごしています。とは申せ、にわか横須賀っこを名乗っても、横須賀に根付く“ねりきち”の域には到底およぶものではありません。

三熊野神社大祭に祢里の上で奏でられる「三社祭礼囃子」は古い歴史と類い稀なる名調子を認められ、昭和30年に県指定無形文化財第一号に指定されています。
平日の午後、三熊野神社前本町通りには横須賀高校の郷土芸能部が奏でるお囃子が響きます。
横須賀高校の郷土芸能部は全国大会の出場常連校で、市内外至る所でイベントや文化祭、敬老会等に引っ張りだこで、伝統あるお囃子を社会貢献の一環として披露してくれています。
横須賀高校ばかりでなく、どの季節もどこからかお囃子が聞こえてくる、横須賀はそんな街なのです。

祭りの歴史は大人から子供へ、お囃子は上級生から下級生に伝承されていきます。
その過程で子供たちにある種の品格が生まれます。
9月の小祢里に向けてお囃子の稽古をしている7月、子供たちに東本町の稽古場で話をする機会がありました。司会の人が私を紹介すると、子供たちは一斉に正座した体をくるりと回して私の方を向いてくれました。そんな当たり前にはできなくなっている所作を自然体でできる横須賀の子供たちに“ねりきち”ならではの品格を感じました。

ひょっとこのお面を付け法被をきて日の丸の扇子を持って3人の大人が踊っている

大きな山車が道路いっぱいに並びにぎやかな祭りの時の町並み

10月の「ちっちゃな文化展」も他の市町にはない素晴らしいイベントです。

提供された畳の部屋に作品を飾っている

3日間、暮らしている家や店舗を展示会場として作家に提供し、来訪者に作品を堪能してもらうのですが、町並み自体も展示物のひとつとなる画期的な催しなのです。展示される作品は絵画、彫刻、写真、陶芸、現代アート、その他で、会場は68箇所に及びます。街の中心部では、ジャズやクラシック、ポップスのコンサートも開かれ、図書館や商工会、その他タイアップブースも各所にあります。
「うちはこの人だから場所を提供する」というように作家との関係が密になっている方もあれば、新たに参加する作家との出会いを大切にしている方もあり、訪れる来場者以上に、街の人達自身が一期一会を楽しみながら続いている文化展なのです。
今年はあいにく台風に見舞われ、来場者は減りましたが、引き続き清水邸を会場に行われた茶エンナーレによって、昔ながらの町並みに足を運んでもらうことができました。

 

「お祭り」や「ちっちゃな文化展」に比べると知名度は低いですが、6月に行われるイベントに「横須賀よさこい“まじすかよこすか”」があります。

神社の境内で大勢の人がダンスをしていて、それを大勢の人が見ている

よさこいは高知県のよさこい祭りが全国的に波及した踊りのイベントで、近隣でもよさこいの冠イベントは多数行われています。横須賀では、今年度6月25日(日曜日)に開催されましたが、残念ながら雨に見舞われ(梅雨時です)、客足も少なかったようです。会場は三熊野神社境内と横須賀高校前広場、中本町通りで行われました。途中雨が強くなり、県内各所から参加したダンス(舞踊)チームがかわいそうな気がしました。それでも踊り手の皆さんは元気いっぱいで、一緒に見ていた人達も「迫力がある」と感心していました。私たちが感動したパフォーマンスをもっと大勢の人に見に来て欲しいと思いました。

 

男性2人が凧揚げをしている

さらに、2月4日(日曜日)には「遠州横須賀凧揚げまつり」が国道150号線沿いのライスセンター東側田んぼを会場におこなわれました。昔から伝わる伝統文化「横須賀凧」の保存・継承ならびに凧揚げを通じて親子のふれあいの場とし、加えて全国的な地域間交流をめざすイベントです。掛川市内外の凧の保存会や愛好家の参加は29団体、県外からの参加は8団体に及びました。強い風と格闘しながら自慢の凧が競うように大空へ高々と舞い上がりました。今年見逃した方も、澄んだ青空に映える横須賀凧をぜひ一度ご覧いただけたらと思います。

 

どうです皆さん、横須賀にはこんなにたくさんの魅力的イベントがあるのです。
そして、横須賀のイベントは魅力があるのに、地元の皆さんは自分たちが楽しむことが一番だから、押しつけがましいところがない。そんな雰囲気を好んでリピーターになる人も多いんです。
私も押しつけがましいことは嫌いですが、このホットページを見た方は、ぜひ横須賀の歴史と文化を感じるイベントにお越しください。

このページと
関連性の高いページ