平成23年度掛川市決算報告
平成23年度一般会計・特別会計決算がまとまり、9月の市議会定例会で認定されましたのでお知らせします。
平成23年度各種会計決算の状況
歳出総計 778億2,636万円
掛川市には、一般会計の他に、13の特別会計と2つの企業会計があります。
これらをすべて合わせると、歳入総額は800億6,183万円、歳出総額は778億2,636万円となりました。
会 計 | 歳入(収入済額) A |
歳出(支出済額) B |
歳出 対前年比(%) |
差し引き A-B |
|
---|---|---|---|---|---|
一般会計 | 445億827万円 |
427億6,148万円 |
97.7 | 17億4,679万円 | |
特別 会計 |
国民健康保険 | 111億7,628万円 | 106億8,517万円 | 106.0 | 4億9,111万円 |
後期高齢者 医療保険 |
8億9,815万円 | 8億7,745万円 | 98.9 | 2,070万円 | |
介護保険 | 76億9,999万円 | 76億1,834万円 | 103.5 | 8,165万円 | |
公共用地取得 | 3億7,856万円 | 1億3,462万円 | 90.2 | 2億4,394万円 | |
駅周辺施設管理 | 1億1,792万円 | 1億1,508万円 | 106.8 | 284万円 | |
簡易水道 | 1,905万円 | 1,111万円 | 76.9 | 794万円 | |
公共下水道事業 | 22億5,471万円 | 22億5,187万円 | 105.5 | 284万円 | |
農業集落排水事業 | 2億1,493万円 | 2億1,493万円 | 96.7 | 0万円 | |
浄化槽市町村 設置推進事業 |
2億7,955万円 | 2億7,955万円 | 125.4 | 0万円 | |
上西郷財産区 | 194万円 | 50万円 | 86.2 | 144万円 | |
桜木財産区 | 5万円 | 5万円 | 55.6 | 0万円 | |
東山財産区 | 299万円 | 214万円 | 18.9 | 85万円 | |
佐束財産区 | 1,515万円 | 1,239万円 | 183.6 | 276万円 | |
水道 事業 |
収益的収支 | 27億8,639万円 | 28億3,697万円 | 101.2 | マイナス5,058万円 |
資本的収支 | 2億6,317万円 | 10億982万円 | 75.0 | マイナス7億4,665万円 | |
病院 事業 |
収益的収支 | 81億1,807万円 | 78億5,785万円 | 94.9 | 2億6,022万円 |
資本的収支 | 13億2,666万円 | 11億5,704万円 | 194.6 | 1億6,962万円 | |
合計 | 800億6,183万円 | 778億2,636万円 | 99.5 | 22億3,547万円 |
- 収益的収支
一年間の事業活動に関する水道料や病院の入院、外来の診療料などの収入と材料費や電気料、職員の給与などの支出のこと。 - 資本的収支
将来にわたる維持管理に必要な企業債や一般会計出資金などの収入と、水道管布設などの投資的経費や企業債の元利償還金などの支出。
注 水道事業会計における不足額は、当年度分及び過年度分の損益勘定保留資金などで補てんされています。
一般会計の概要
歳入額 445億827万円(前年度比9億1,354万円減)
歳入の特徴としては、
- 市税収入は3年ぶりに増加し、前年度と比べ2億6,988万円の増収となったこと。
- 病院事業会計の資金不足解消などに、財政調整基金を取り崩したことなどにより、繰入金が前年度から12億935万円増加したこと。
- 地方交付税・臨時財政対策債が、国の地方財政対策の縮小により前年度から9億6,150万円減少したこと。
- 国の緊急経済雇用対策が一段落したことなどにより、国・県支出金が前年度から10億1,743万円減少したこと。
などがあげられます。
歳入の半分弱はみなさんから納めていただいた市税で賄われています。しかし、その市税も3年前の平成20年度と比較すると世界同時不況の影響などにより約23億円減少している状況です。
歳入の内訳
自主財源62.2%
- 市税(46.5%)206億9,739万円
- 諸収入(6.2%)27億7,467万円
- 繰越金(3.7%)16億4,621万円
- 繰入金(3.1%)13億6,139万円
- その他(使用料・負担金など)11億8,459万円(2.7%)
依存財源37.8%
- 国庫支出金(9.3%)41億1,936万円
- 市債(9.2%)41億1,710万円
- 地方交付税(8.6%)38億4,768万円
- 県支出金(5.4%)23億8,360万円
- その他(地方譲与税など)(5.3%)23億7,628万円
歳入の推移
平成20年度
- 市税 230.2億円
- 国・県支出金 51億円
- 歳入合計 425.6億円
平成22年度
- 市税 204.3億円
- 国・県支出金 75.2億円
- 歳入合計 454.2億円
平成23年度
- 市税 207億円
- 国・県支出金65億円
- 歳入合計 445.1億円
平成20年度に比べ、平成23年度は市税が23.2億円減っている
納めていただいた市税を1人当たりに換算すると 179,715円
- 固定資産税(87,749円)
- 市民税(68,004円)
- 都市計画税(14,719円)
- 市たばこ税(6,552円)
- 軽自動車税(2,273円)
- 入湯税(379円)
- 特別土地保有税(39円)
歳出額 427億6,148万円(前年度比10億1,411万円減)
歳出の特徴としては、
- 資金不足の解消と企業債の繰上償還のため病院事業会計へ24億8,000万円を繰り出したこと。
- 平成25年5月1日に開院予定の中東遠総合医療センター関連事業に4億829万円、アクセス道路整備に4億4,379万円支出したこと。
- 新市建設計画推進のため合併推進道路(南北道)整備事業に9億559万円、(仮称)南部体育館建設事業に1億4,302万円支出したこと。
などがあげられます。
性質別では3年前の平成20年度と比較すると、扶助費が大きく増加しています。これは、高齢者人口が増加したことや子ども手当などにより社会保障関係経費が大きく増加しているためです。市では、行財政改革に取り組み職員数を平成17年度比で104人減らすなど、人件費や公債費の削減に努めていますが、社会保障経費(扶助費)の増加が大きく、他の経費を圧迫している状況です。
歳出(目的別)の内訳
- 民生費(25.4%)108億7,040万円(注)
- 衛生費(14.5%)62億1,251万円
- 教育費(12.4%)53億1,884万円
- 公債費(12.2%)52億830万円
- 土木費(11.5%)49億1,177万円
- 総務費(11.2%)47億8,053万円
- 消防費(3.6%)15億4,363万円
- 農林水産業費ほか(9.2%)39億1,550万円
(注)民生費は平成20年と比べて増加している。
(平成20年度は87.7億円で、平成23年度は108.7億円と21億円増加。)
歳出(性質別)の推移
平成20年度
- 公債費 63.2億円(公債費のうち繰上償還分5.1億円)
- 人件費 63億円
- 普通建設事業費 72.7億円
- 扶助費 41.6億円
- 歳出合計 412.9億円
平成22年度
- 公債費 55.7億円(公債費のうち繰上償還分3億円)
- 人件費 58.8億円
- 普通建設事業費 60.9億円
- 扶助費 59.5億円
- 歳出合計 437.8億円
平成23年度
- 公債費 52.1億円
- 人件費 61.5億円
- 普通建設事業費58.7億円
- 扶助費 62.9億円
- 歳出合計 427.6億円
人件費は平成20年度に比べ1.5億円減っている。
普通建設事業費は平成20年度に比べ14億円減っている。
扶助費は平成20年度に比べ21.3億円増えている。
平成23年度における主な事業の決算額
民生費(高齢者福祉や子育て支援等に)
- 高齢者福祉事業 4億2,396万円
- 子ども手当 23億6,214万円
- 放課後児童健全育成事業 1億1,430万円
- 保育園にかかる経費 17億5,283万円
土木費(道路や橋などの建設に)
- 合併推進道路(南北道)整備 9億559万円
- 新病院アクセス道路整備 4億4,379万円
衛生費(健康づくりやごみ処理公衆衛生費に)
- こども医療費助成(小学校4年生から6年生通院助成開始)3億4,192万円
- 病院事業会計繰出金 24億8,000万円
- 病院建設基金積立金 3億164万円
- 地域健康医療支援センター(ふくしあ)にかかる経費 6,079万円
- ごみ処理にかかる経費 11億1,125万円
総務費(自治区振興や市役所経費などに)
- 公共交通対策(天浜線、バス)1億7,212万円
- 新病院建設推進事業(負担金)1億665万円
- 自治活動支援(コミュニティ施設整備など)1億204万円
- 地域環境整備調整事業 3億5,027万円
教育費(学校施設の建設費や学校教育などに)
- 小中学校耐震化・改築 1億4,214万円
- (仮称)南部体育館建設事業 1億4,302万円
- さかがわ幼稚園改築 3億197万円
- 学校給食にかかる経費 10億3,495万円
消防費(消防・救急や地震津波対策に)
- 中東遠消防指令センター整備負担金 2億9,129万円
- 消防団活動 2億1,223万円
- 地震・津波対策など防災対策 1億4,395万円
公債費(借入金の返済に)
- 償還金 52億830万円
農林水産業費ほか(農業や議会、商工労働に)
- 農業立地奨励事業費補助金 2億6,644万円
- 緊急雇用対策 2億6,071万円
- 経営体育成基盤整備事業(西大渕、山崎、下土方、大渕)2億255万円
都市計画税の使途
都市計画事業費等合計 28億776万円
都市計画税は、都市計画事業に要する費用に充てるために課税される目的税です。
平成23年度は、街路、公園、下水道、区画整理などの各事業と、都市計画事業のために借り入れた地方債の償還に充てられました。
都市計画税が使われた事業とその財源内訳(平成23年度)
都市計画の事業費等
- 下水道 8億7,878万円
- 区画整理等 2億415万円
- 公園 3,138万円
- 街路 6億884万円
- 都市計画事業の地方債償還 8億9,603万円
- その他 1億8,858万円
都市計画事業費の財源内訳
- 一般財源 5億2,600万円
- 都市計画税 16億9,514万円
- 国庫(県)支出金 1億2,145万円
- 地方債 3億8,310万円
- 負担金その他 8,207万円
掛川市の財政の健全性を示す5つの指標
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」の規定により、平成23年度決算に基づく4つの健全化判断比率と公営企業の資金不足比率を算出しました。
平成23年度は、いずれの指標も財政上のイエローカードを表す「早期健全化基準」を下回り、健全性が保たれていることを示しています。
今後は、新病院の建設などに伴い、将来負担比率などの数値が一時的に上昇することが予想されますが、引き続き健全な財政運営に努めていきます。
健全化判断比率
地方公共団体の財政の健全性を判断するための指標で、「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」、「将来負担比率」の4つがあります。この4つの比率を、「早期健全化基準」(財政上のイエローカード)、「財政再生基準」(財政上のレッドカード)と比較し、基準を上回ると財政健全化計画の策定などが必要になります。
掛川市の財政の健全性
お茶のまち掛川
マスコットキャラクター
茶のみや きんじろう
5つの指標は財政上のイエローカードを表す「早期健全化基準」を大きく下回っているから、掛川市の財政は健全ということがわかるね。
指標の数値も前年に比べて好転しているよ。
詳しくは下記を見てね。
1. 実質赤字比率
平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 早期健全化基準 | 財政再生基準 |
---|---|---|---|---|
なし | なし | なし | 12.01% | 20.0% |
すべての会計が黒字のため、該当なし
2. 連結実質赤字比率
平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 早期健全化基準 | 財政再生基準 |
---|---|---|---|---|
なし | なし | なし | 17.01% | 30.0% |
すべての会計が黒字のため、該当なし
3. 実質公債費比率
普通会計の借入返済額の比率
(家計に例えると、1年間のローン返済額が臨時的な収入を除く年収に占める割合。ローンが家計をどれだけ圧迫しているかを表す。)
平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 早期健全化基準 | 財政再生基準 |
---|---|---|---|---|
16.0% | 14.3% | 13.2% | 25.0% | 35.0% |
新規借入を抑えたり債務返済を早めるなど、これまでの借金を減らす努力により、数値は前年に比べ好転しました。
4. 将来負担比率
普通会計が将来負担すべき実質的な負債残高の比率
(家計に例えると、借金総額が年収の何倍になるかを表す。)
平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 早期健全化基準 |
---|---|---|---|
130.3% | 94.1% | 91.1% | 350.0% |
新病院建設に係る借入金負担分が増加したものの、債務から差し引くことのできる地方交付税措置額などの増加により、数値は好転しました。
5. 資金不足比率
平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 早期健全化基準 |
---|---|---|---|
病院事業会計 3.1% 他の各公営 企業はなし | 病院事業会計 10.6% 他の各公営 企業はなし | 各公営企業 会計なし | 20.0% |
平成20年度以降、病院事業会計に資金不足が生じていましたが、本年度は一般会計からの繰出金を増額したため、資金不足は解消されました。
注 普通会計とは、一般会計及び公共用地取得特別会計、掛川駅周辺施設管理特別会計の3会計を合算したものをいいます。
掛川市が将来負担すべき負債
市債や公営企業の債務の削減に努めましたが、新病院建設に係る地方債負担分が16億3,000万円ほど増加したため、将来負担額は前年度より3,000万円ほど増加し860億円となり、前年度とほぼ同じでした。
将来負担額 860.1億円(市民一人当たり746,822円)
- 普通会計の地方債残高 465.8億円
- 債務負担行為に基づく支出予定額(幼保園の建設債務など将来にわたる支出が予定されているもの) 82.0億円
- 他会計地方債残高(普通会計負担分)(公共下水道などの特別会計への繰出見込額) 176.6億円
- 一部事務組合等地方債残高(普通会計負担分)(環境資源ギャラリーなどの一部事務組合への負担見込額) 47.8億円
- 退職手当負担見込額 67.9億円
- 土地開発公社負債額(普通会計負担分)(公社の長期借入金や未払金に対する負担見込額)20.0億円
控除財源 653.5億円(市民一人当たり567,432円)
- 地方債の償還等に充当可能な基金(借入金の返済に充てることができる積立金)73.9億円
- 地方債の償還等に充当可能な歳入(借入金の返済に充てることができる歳入)164.2億円
- 地方債残高に係る普通交付税基準財政需要額算入見込額(借入金に対して国が地方交付税により交付するもの)415.4億円
注 将来負担比率算出において、上記の控除財源を将来負担額から差し引いた額が、実質的な負債額とみなされます。