令和6年度施政方針

2024年2月19日更新

令和6年度の当初予算案並びに関連議案の審議をお願いするにあたり、施政方針を 述べさせていただきます。

1 はじめに

 令和6年度は市長任期4年の最終年度となります。
 令和5年度より「人」と「環境」の持続可能性が最重要課題と考え、取り組みを進めて
きました。持続可能な自治区運営を目指して、掛川市からの依頼事項を削減するなど自治
区の負担軽減に取り組み、また、資源を燃やさない仕組みを構築するため、使用済み紙お
むつ、プラスチック製品、生ごみ、落ち葉・剪定枝を資源化する議論を進めてきました。
 そして、「人」と「環境」の持続可能性のなかでも、ますます大きな課題となってくる
のが、少子・高齢・多死社会でも安心して暮らせるまちづくりであります。
 掛川市の死亡者数は、平成30年度の1,180人から令和4年度は2割増加して
1,416人と過去最多を更新し、深刻な多死社会に突入しております。
 そして、死亡者数がピークを迎えるのが令和22年(2040年)頃と予想されています。
 このように、多くの方が亡くなることによる影響は多岐にわたると考えられます。
 相続が多く発生するため、近所にも空き家が増えていくのではないだろうか。
 介護が必要となったときに、入所できる施設はあるだろうか、介護現場における人材確
保は大丈夫だろうか。
 自動車の運転ができなくなったとき、病院やスーパーにどうやっていくのだろうか。
 多死社会におけるこれらの課題は、いま対策を取らなければ、5年後、10年後にさら
に大きな問題になるでしょう。
 掛川市は、多死社会というかつて経験したことのない課題に対して、柔軟にそしてスピ
ード感をもって取り組み、「次世代につながる持続可能なまち」の実現を目指していきます。

2 自治体経営の基本事項

 次に、自治体経営の基本事項について申し上げます。

(1) 組織機構

 1番目、組織機構についてです。
 令和6年度組織機構は、第2次掛川市総合計画ポストコロナ編を推進するため、限られ
た人材を最大限に活用し、持続可能な行政経営を実現する組織としました。
 まず、企画政策課に「秘書広報室」を設置し、政策を正確かつ戦略的に発信するなど、
トップメッセージの発信力強化を図ります。こども希望課には、健康医療課と連携した分
散型の「こども家庭センター」を設置し、子育て家庭を包括的に支援できる体制とします。
また、中山間・海岸線地域を含めた観光施策、シティプロモーション及び移住施策を連携
してより効果的に行うために、「観光・シティプロモーション課」を設置します。その他、
ウォーカブルなまちづくりを柱とした中心市街地の再整備を推進するため、中心市街地活
性化業務を都市政策課に移管します。
 さらに、多死社会に対応するため、都市政策課に「建築・空き家対策係」を新設して空
き家対策を強化するほか、庁内横断的な体制として(仮称)多死社会対策検討会議を設置
します。加えて、大地震や激甚化する風水害等への対応のため、防衛省より専門人材を招
聘して、危機管理能力の強化を図ります。

(2) 当初予算

 2番目、当初予算についてです。
 令和6年度当初予算は、前年度から継続して、「人と環境の持続可能性にチャレンジす
る予算」と位置付け、引き続き持続可能なまちづくりを進めるとともに、掛川城天守閣開
門30周年、さらには翌年度に迎える市制20周年を意識した予算編成としました。
 コロナ禍が収束し、直接的な経済活動への影響はほぼ解消されましたが、エネルギー価
格や物価の高騰等により、依然として市民生活や地域経済は大きなダメージを受けています。
 掛川市が持続可能なまちであり続けるために、市民一人ひとりが輝き、いつでも、誰で
も、何回でも「未来に向けてチャレンジできるまち」の実現を目指し、市民との対話を重
視しながら、「人」と「環境」の持続可能性への取組をさらに推進します。
 予算配分については、第2次総合計画を着実に推進する事業や、物価高騰対策、少子化
対策、脱炭素化及びDX推進事業に予算を重点配分したほか、使用済み紙おむつ資源化実
証実験など、さらなるごみ減量と資源化に向けた新たな取組に1,481万円、少子・高
齢・多死社会への対応として、空き家活用お片付け補助金など空き家対策事業に
2,477万円、高齢者等お出かけ交通券助成事業に1,120万円を計上しました。
 また、海岸防災林強化事業、同報無線設備更新事業等の大規模事業の予算計上により、
一般会計の予算規模は、556億7千万円で、前年度当初予算と比べ、53億5千万円、
10.6%の増となり、過去最大の予算規模となりました。また、特別会計と企業会計を
合わせた予算総額は、899億2,928万円となりました。

3 重点施策

 次に、令和6年度の重点施策について、第2次総合計画の7つの戦略の柱の分野ごとに
申し上げます。

(1) 教育・文化分野

① 新しい学校教育の創造

 1番目の柱は、教育、文化分野です。
 1点目は、新しい学校教育の創造についてです。
 豊かな未来を創造する人づくりの観点から、一人一台端末を中心としたデジタル技術を
効果的に活用しながら、授業改善や学校の組織・構造改革を進めます。また、「個別最適
な学び」と「協働的な学び」が一体的に充実し、主体的・対話的で深い学びが一層促進さ
れるよう、最新の教育手法についても積極的に調査・研究を進めていきます。
 学校再編については、掛川市初となる原野谷学園小中一貫校の建設に向けて、地域との
協議を開始し、新しい学校の基本計画と基本構想を取りまとめているところです。
令和6年度には、この基本構想に基づき、より具体的となる学校の基本設計を行います。
 部活動の地域展開については、令和8年度の(仮称)かけがわ地域クラブへの移行に向
け、新たな地域クラブを創出し、すべての市民が生涯にわたって、地域で多様な文化・ス
ポーツに親しむことができる持続可能な仕組みや活動環境を整えていきます。
 学校給食費については、「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」の活用
による一部減免を行い、物価高騰の影響を受ける保護者を支援していきます。

② 文化スポーツの振興

 2点目は、文化・スポーツの振興についてです。
 文化振興については、掛川城天守閣開門30周年にあたり、これまでに掛川城天守閣が
もたらした恵みに感謝し、その「価値」を再確認・再発見し、未来のまちづくりにつなげ
ていくため、様々なイベントの開催をとおし、その魅力を内外に発信していきます。
 また、11月には「かけがわ茶エンナーレ2024」を開催いたします。アートだけで
なく、音楽や舞台芸術を取り入れ、市民が様々な形で参加できる機会としていきます。
 文化財の保存と活用については、国史跡である高天神城跡(あと)と横須賀城跡(あと)
の魅力や価値を多くの方に体感し、愛着を深めていただくために、簡単な草刈り作業によ
り、楽しみながら空堀、堀切(からぼり・ほりきり)を甦らせる市民参加型イベントを行
います。
 また、松ヶ岡については、完成した主屋などの月1回の一般公開を行いながら「以善堂
(いぜんどう)」の理念を伝えていきます。
 スポーツの振興については、時代に即した効果的なスポーツ施策を推進するため、掛川
市におけるスポーツ推進の基本的な考え方やスポーツ施設のあり方等を示した「掛川市ス
ポーツ推進計画」を策定します。また、DX推進や学校部活動の(仮称)かけがわ地域ク
ラブへの移行を念頭に、学校体育施設における電子予約システム及びスマートキーの導入
に向けた取組を進めていきます。

(2) 健康・子育て・福祉分野

① 感染症対策

 2番目の柱は、健康・子育て・福祉分野です。
 1点目は、感染症対策についてです。
 新型コロナウイルス感染症の予防接種については、令和6年3月をもって特例臨時接種
が終わり、インフルエンザと同様の定期接種に移行しますが、引き続き、予防接種や適切
な情報発信等により感染予防対策を進めるとともに、医療関係機関と連携して診療機能体
制の確保を図っていきます。
 その他の感染症として、おたふくかぜと帯状疱疹については、発症や重症化の予防に最
も効果が見込まれるワクチン接種に対する助成制度を新たに創設し、感染予防を進めてい
きます。

② 子育て支援

 2点目は、子育て支援についてです。
 全てのこども・若者が幸せな生活を送ることができる社会を目指し、国の「こども大綱」
を勘案して令和6年度に「掛川市こども計画」を策定します。これまで「子育て支援」
「貧困対策」など別々に策定していた計画を一体的に策定することで、こども施策を統一
的に分かりやすく、実効性のある計画としていきます。
 また、「こども家庭センター」を新設し、妊娠期から子育て期を切れ目なく、一体的・
包括的に相談・支援できる体制強化を図ります。
 子育て支援の充実については、経済的支援として、「出産・子育て応援交付金」の交付
を継続的に実施することに加え、産前産後ホームヘルプサービスの利用に対する助成制度
をつくり、安心感の醸成を図っていきます。
 また、思春期から妊娠・出産の知識を持ち、自分の身体と健康への意識を高める取り組
みや、妊娠期から出産・子育てまで一貫して身近で相談に応じ、様々なニーズに即した支
援につなぐ「伴走型相談支援」を強化します。
 さらに新たな取り組みとして、こどもが楽しみながら安心して過ごせる「こどもの居場
所」づくりを、それぞれ身近な地域で展開できるよう、令和5年度に市役所食堂で試行的
に実施したノウハウを活かし、 関係機関等と連携・協働して推進していきます。
 乳幼児教育・保育環境の充実については、ファイル共有サービスを利用することで、私
立保育園等と情報を共有化し、事務処理の効率化を図ります。また、乳幼児との触れ合い、
命の大切さなどを学ぶため、高校生が保育現場を体験する「かけがわ未来体験授業」を実
施し、将来保育の道に進みたいと思う若者を増やします。
 学童保育については、就労している保護者のために市内40クラブの運営を継続し、令
和6年度に1クラブを増設するとともに、支援員の処遇改善や人材確保に努めます。

③ 発達に不安のあるこどもへの支援

 3点目は、発達に不安のあるこどもへの支援についてです。
 発達の特性による支援が必要なこどもやその保護者に対応するため、発達相談支援セン
ター「のびる~む」の機能強化をさらに進めます。
 出張相談を開始するとともに、「中部ふくしあ」において、相談室の増設を行い、専門
職による相談及び検査体制を充実させ、関係機関と引き続き連携することにより、切れ目
のない発達支援体制を構築していきます。

④ 健康づくりの推進

 4点目は、健康づくりの推進についてです。
 「生涯お達者市民推進プラン」による健康づくり事業については、次期計画策定に向け
た市民アンケートを実施していきます。また、きんじろう健康アプリ「きんトレ」の利用
者データの検証を行い、より効果的な市民の健康づくりへの支援を進めるとともに、企業
や団体などとも連携しながら、元気なまちづくりのために活用していきます。

⑤ 地域共生社会の実現

 5点目は、地域共生社会の実現についてです。
 令和6年度からの3か年を計画期間とする「第9期介護保険事業計画・高齢者福祉計画」
を踏まえながら、高齢者の割合がピークを迎える2040年を見据え、介護を必要とする
高齢者を支える人材の確保や、医療職との連携強化に努め、持続可能な介護サービスの充
実と質の向上を図ります。
 介護予防や認知症施策の推進については、ICTを活用した「歩行姿勢測定システム」
を導入し、市民の歩行状態の集団的把握や個人への見える化を行うことで、健康増進、介
護予防施策の効果を高め
るほか、データの蓄積や解析にかかる事務を効率化し、健康福祉施策形成に役立てます。
 また、昨年6月に成立した認知症基本法の基本理念を踏まえ、40歳以上の方を対象に
補聴器購入費助成事業を引き続き実施し、聴力の低下や家庭内の孤立防止、社会参画の促
進につなげ、認知症の予防や早期改善に努めていきます。
 掛川版エンディングノート「私の健康人生設計ノート」については、遺産を社会貢献活
動に役立てていただく「遺贈寄付編」や、空き家を残さないための「不動産編」などを加
えて改訂し、終末期に向けた人生設計の充実や財産の管理などの啓発を推進していきます。
 障がいのある児童への支援については、森町に「こども発達センターきためばえ」が開
設し、東遠地域の療育体制が拡充されますが、一層の早期療育が求められていることから、
今後も児童発達支援事業や相談支援事業等を拡充していきます。

(3) 環境分野

① 環境の持続可能性

 3番目の柱は、環境分野です。
 1点目は、環境の持続可能性についてです。
 資源を燃やさない仕組みづくりについては、未来の世代により良い環境を残すため、市
民や事業者の理解促進を図りながら、さらなるごみの減量を進めるとともに、使用済み紙
おむつの資源化の調査研究や、モデル地区での製品プラスチック回収に向けた準備など、
新たな分別項目の資源化に向けた取り組みを進めていきます。
 再生可能エネルギーの普及促進については、南体育館「し~すぽ」や「さかがわ学校給
食センター」への太陽光パネルの設置を進めるほか、地域新電力を核とした地産エネルギー
の活用を図ります。また、4月から「再生可能エネルギー発電事業の条例」や「もったい
ないを合言葉にカーボンニュートラルを推進する条例」が施行されますので、発電事業と
環境との調和を図るとともに、積極的な温暖化対策に取り組みます。
 新たな廃棄物処理施設の整備については、地元との連携を深めながら、令和12年4月
の供用開始に向けた準備を着実に進めます。

② 持続可能な上下水道

 2点目は、持続可能な上下水道についてです。
 水道事業については、能登半島地震の教訓から基幹管路の耐震化を加速させるとともに、
災害発生時のリスク低減を図るため、薗ケ谷受水点化事業に着手し、給水区域の分散化を
図ります。また、簡易水道事業については、維持管理業務に係る負担軽減が図れるよう、
最適な事業運営について検討していきます。
 下水道事業については、生活排水処理実施計画の見直しをすすめ、適切に施設を整備し
て汚水処理人口普及率の向上を図ります。また、処理施設の適切な維持管理に加え、葛ヶ
丘、土方両地区の公共下水道への統合や、ストックマネジメントを推進して持続可能な事
業運営を進めていきます。
 リニア建設に伴う大井川の水問題では、静岡県や流域市町と連携しJR東海に対して、
双方向のコミュニケーションを十分に図り、水資源の確保と水の安全性に対する市民の不
安や懸念を払拭するよう求めていきます。

(4) 産業・経済分野

① 産業の振興

 4番目の柱は、産業・経済分野です。
 1点目は、産業の振興についてです。
 産業基盤の強化については、上西郷地区整備推進事業において、令和7年度の完成を目
指し、造成工事を着実に進めるとともに、事業協力者と連携し、企業誘致を進めます。新
エコポリス工業団地第3期については、開発行為等の各種許認可を取得し、令和7年度の
工事着手に向け、着実に業務を進めていきます。新東名高速道路(仮称)掛川第2パーキ
ングエリアについては、令和5年度に実施したサウンディング調査結果を基に事業手法を
検討し、事業の早期実現に向け取り組んでいきます。
 海岸線地域の振興については、海岸線地域ビジョン実施計画に基づき、重点エリアの
「菊川」、「大溝川(おおみぞがわ)」、「弁財天川(べざいてんがわ)」河口周辺につ
いて、市民、地域、企業、各種団体等と意見交換を行いながら、連携して事業を実施し、
海岸線地域の価値や資源を磨き上げ、地域への誇りや愛着が高まるまちづくりを進めてい
きます。
 企業の取組支援については、就職を希望する学生・求職者と企業とのマッチングを支援
するための新たなサイト「カケジョブ」を周知するとともに、企業説明会を開催し、市内
企業への就職や定住人口の増加に繋げ、地域産業の活性化と持続可能なまちづくりを進め
ます。
 また、ふるさと納税については、複業人材アドバイザーからの提案をもとに、効果的な
PR方法と寄附したくなる受付サイトの構築を進めるとともに、返礼品としてイチゴ、メ
ロンが伸び悩むなか、工業製品や高額返礼品等の新たな返礼品の開拓を行い、掛川市の魅
力発信と地域経済の活性化に繋げます。

②力強い農業の確立

 2点目は、力強い農業の確立についてです。
 攻めの農業、儲かる農業への支援については、新たに和田岡1期地区を加えた土地改良
事業を進めるとともに、農地の集積・集約、新規就農者の育成、地域農業者の組織化・法
人化を支援していきます。また、ドローンによる消毒作業や正道地区における自動測定・
遠隔操作による「水田管理システム」の導入、ため池の遠隔監視の研究などスマート農業
を推進していきます。大須賀物産センターについては、いままで以上の品揃えに加え、飲
食店を併設するなど、より魅力ある施設にリニューアルいたします。道の駅掛川について
も、4月に行われる20周年記念式典を皮切りに一年を通して、感謝を伝えるイベントを
開催いたします。
 遠州和栗プロジェクトについては、栗栽培を行う農家に対し、栽培面や圃場整備に関す
る支援を行い、栗産地の復活と遠州広域での産地化を目指します。
 掛川茶の振興については、「掛川茶未来創造プロジェクト」に基づき、「オーガニック
ビレッジ宣言」及び「有機農業実施計画」による生産体制の強化、「茶業版フェアトレー
ド」による茶業関係者間の連携、リブランディングプロジェクトによるブランド力の強化
を図ります。

(5) シティプロモーション分野

① 魅力発信で選ばれるまち

 5番目の柱は、シティプロモーション分野です。
 1点目は、魅力発信で選ばれるまちについてです。
 市政情報については、伝えたい情報とターゲットを明確にする中で、広報紙・SNS・
テレビ・プレスリリース配信サービスなど様々なメディアの特徴と強みを活かして、トッ
プメッセージの発信力強化を図ります。また、広聴については、特に将来を担う若い世代
について、意見交換会の場を設け積極的に行っていきます。
 シティプロモーションについては、「掛川城天守閣開門30周年」、「かけがわ茶エン
ナーレ2024」、令和7年度の「掛川市制20周年」を市内外に発信し、関係人口・交
流人口の拡大に努めます。また、新たに「移住コーディネーター」を委嘱し、移住者への
支援と受け入れ環境を強化し、定住・定着に繋げていきます。
 さらに、地域おこし協力隊を増員し、地域ブランドの開発・販売・PRなど、地域の魅
力を引き出し、地域経済の活性化を目指します。
 企業版ふるさと納税は、広範な企業への働きかけを通じて、より多くのご寄付をいただ
き、地方創生事業を充実させていきます。

② 観光交流の推進

 2点目は、観光交流の推進についてです。
 観光交流の推進については、6年振りに開催予定の掛川大祭(おおまつり)に合わせて、
掛川観光協会や祭典年番との協働によるお祭り広場を設置し、仁藤町の「大獅子」、西町
の「奴道中」、県指定民俗文化財となっている瓦町の「かんからまち」の三大余興をご覧
いただき、江戸時代から続く祭典を通じて、掛川の魅力を発信します。
 修学旅行やゼミ合宿、スポーツ合宿等の教育旅行については、「掛川学び旅」として、
民間企業と協力した生徒・学生等の誘客や、受入れ体制を確立し、地域資源を活かした観
光を推進していきます。
 また、大河ドラマ「どうする家康」事業で構築したマインクラフト上の高天神城を、周
囲の城砦(じょうさい)や城下町まで対象範囲を広げ、これまで以上にゲームを通じた高
天神城の認知度向上と来訪による観光客の増加を図ります。

(6) 安全・安心・都市基盤分野

① 防災力の強化

 6番目の柱は、安全・安心・都市基盤分野です。
 1点目は、防災力の強化についてです。
 防災力の強化については、防災体制及び避難所のさらなる充実に向け、能登半島地震の
災害状況を踏まえた総点検を実施し、関係機関との連携や資機材整備など防災力の強化を
図っていきます。
 原子力災害への備えについては、広域避難計画の避難先となる富山県や愛知県の27市
町村と協議を進め、現地調査や「避難経由所運営マニュアル」の作成を進めていきます。
 災害時におけるドローン活用に向けた体制づくりについては、次世代のリーダーとなる
若い世代のチャレンジに期待し、引き続き高校生ドローン防災航空隊として新規高校生8
名を募り、災害時に孤立した集落や助けが必要となる地域の把握など、災害対応の強化に
向けた体制づくりを進めていきます。 

② 災害対策の強化

 2点目は、災害対策の強化についてです。
 海岸防災林強化事業「掛川潮騒の杜」については、現在の進捗率が目標を上回る
80.6%となっており、引き続き国、県及び民間の土砂や災害土砂を盛土材として積極
的に活用し、早期の完成を目指し取り組んでいきます。あわせて、市民、企業等との協働
による植樹・育樹活動を推進し、市民が集う海岸林を育てていきます。完成後に県と再整
備する太平洋岸自転車道については、ナショナルサイクルルートとして快適に利用できる
ようにしていきます。
 災害に強い社会基盤の整備では、「総合治水計画」に基づいて河川流域のあらゆる関係
者が協働し、流域全体で水害を軽減させる治水対策を進めていきます。

③ 消防救急の迅速化・高度化

 3点目は、消防救急の迅速化・高度化についてです。
 昨年の救急出動は、過去最多となる4,744件で、今後も高齢化が進み救急件数の増
加が見込まれるため、引き続き救急隊の効果的な運用と救急体制の充実を図ります。
 また、中東遠消防指令センターの新たなシステムの構築を進めるとともに、将来を見据
えたグランドデザインをもとに市民生活の基盤を守り、安全で安心な掛川市となるよう消
防体制の整備を図ります。
 地域防災力の要である消防団については、組織や施設、団員定数などの持続可能な組織
を構築するよう組織再編の基本計画を策定するとともに、地域から信頼される、魅力ある
消防団を目指して、地域防災のエキスパートとなる人材を育成します。

④ 交通安全意識の高揚

 4点目は、交通安全意識の高揚についてです。
 自転車ヘルメット努力義務化への取り組みについては、高校生のヘルメット着用率が低
いことから、「高校生ヘルメット着用モニター」を募集するなど、着用を推奨し、交通事
故防止につなげていきます。

⑤ 多極ネットワーク型コンパクトシティの推進

 5点目は、多極ネットワーク型コンパクトシティの推進についてです。
 掛川城天守閣開門30周年を契機に、掛川城周辺からJR掛川駅までの賑わい創出に向
け、ウォーカブル推進事業を行い、「歩いて楽しめるまち掛川」を目指していきます。
 市街地南部の南西郷地区を対象とした土地利用構想については、土地利活用案の策定に
向けた地域との話し合いを進めていきます。
 まちづくり事業では、下垂木地区、大坂地区において道路改良事業を進めるほか、景観
形成重点地区である横須賀街道においても、魅力的なまちづくりに向けて、無電柱化を図
り、快適な都市環境づくりを推進していきます。
 公共交通については、高齢者や障がい者等の交通弱者が、気軽に外出できるような移動
支援事業を実施していきます。また、AIオンデマンド交通などの新たなモビリティサー
ビスの導入に向けた研究を進めていきます。
 空き家対策では、多死社会への突入に伴い、相続等によって負荷・負担になる不動産を
増加させないよう、事前の対策に力を入れていきます。空き家の対処方法の啓発に加え、
空き家の除却費用や活用に向けた家財片付け費用など、空き家所有者の負担軽減に向けた
支援をしていきます。

⑥ 幹線道路の整備

 6点目は、幹線道路の整備についてです。
 広域幹線道路については、市道桜木中横断線、市道掛川駅梅橋線、市道三井幹線の3路
線を、地域間を結ぶ重要路線として重点的に事業を推進していきます。
 国道1号バイパスについては、交通混雑の緩和、安全性の向上のための早期4車線化に
向けて、期成同盟会による要望活動に加え、市議会のご協力もいただきながら国に強く要
望していきます。
 東名高速道路の(仮称)掛川西スマートインターチェンジについては、事業実施に向け
て、NEXCO中日本や国土交通省、静岡県等関係機関と協議を重ねていきます。

(7) 協働・広域・行財政分野

① ダイバーシティ・協働のまちづくりの推進

 7番目の柱は、協働・広域・行財政分野です。
 1点目は、ダイバーシティ・協働のまちづくりの推進についてです。
 すべての市民が自分らしく能力や特性を最大限に発揮できること、お互いを尊重し、強
みを活かし合えることが持続可能なまちづくりにとって重要なテーマであることから、
「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」すなわち、多様性、公平性、受容包
摂が当たり前の社会の実現に向けて、アクションプランを作成し、市民、地域、企業との
取り組みを推進していきます。
 国際姉妹都市交流の推進については、アメリカのユージン市、コーニング市、韓国の横
城郡(フェンソングン)など、国際姉妹都市との交流を再開し、市内在住、在校の中高生
が国際的な教養及び感性を養い、国際人として活躍できる人材の育成を図ります。また、
外国人の受け入れを増やしていくことも大変重要であることから、近隣市町とともに地域
課題を探り、地域の企業とも連携した取り組みを実施し、外国人に選ばれるまちづくりを
進めていきます。
 協働のまちづくりについては、地区まちづくり協議会や市民活動団体など多様な主体が、
地域課題の解決や公益的な活動に積極的に取組めるよう支援していきます。
 持続可能な自治会運営については、現在策定中の「自治区等への依頼に関するガイドラ
イン」に基づき、定例的に行われてきた依頼事項の削減をさらに進めていきます。また、
自治区の負担軽減につながる具体的な取り組みを事例集としてまとめ、自治区活動を後押
ししていきます。地域における河川の愛護活動についても、「自走式草刈り機」を導入し、
負担軽減や担い手不足を補うことで活動を支えていきます。
 まちづくりの担い手育成については、若い世代がまちづくりのノウハウなどを学ぶ講座
「まちづくりラボ」の開催や、まちづくりへのチャレンジを応援する市民・高校生チャレ
ンジ公募事業委託を通じて、未来のまちづくりの担い手を育てます。
 また、掛川市にしかない魅力ある地域資源の掘り起こしと磨き上げ、それを学ぶコース
設定を行い、地域を良く知り、郷土愛を高める学びの機会を提供するとともに、誰も経験
したことがない縮小社会、多死社会の中であっても豊かで幸せになるためのまちづくりを
考え、学び、活躍できる生涯学習まちづくり人材を育成します。

② 未来に向けてのまちづくり

 2点目は、未来に向けてのまちづくりについてです。
 公共施設マネジメントについては、学校再編計画の内容を踏まえ、公共施設再配置方針
で示している再配置案の更新等を内容とする公共施設再配置計画を策定していきます。
「たまり~な」の屋内遊び場等への再整備については、令和7年度中のリニューアルオー
プンを目指し、掛川市初のDBO方式を採用し官民協働による魅力ある施設づくりを進め
ていきます。
 DXの推進については、スマートフォンなどで手続きを完結させる「手のひら市役所」
を実現していくため、オンライン手続きのさらなる拡充を図っていきます。
 また、今後さらに人口減少が進んでも住民サービスを維持・向上できるよう、令和7年
度末までの情報システム標準化に向けた移行準備を進めるとともに、デジタルツールを主
体的に活用して行政課題を解決していける「DX人材の育成」や、行政内部に蓄積されて
いるデジタル情報に新しい価値を加える「生成AIの活用」により、全庁的な業務改善を
推進していきます。

4 むすびに

 結びとなりますが、能登半島地震によって、大切な方を亡くされた方々、また、断水や
厳しい寒さの中、避難所で苦労されている方々を見るにつけ、非常に心を痛めております。
その姿は、13年前の東日本大震災で壊滅的な被害を受けた陸前高田市において私が見た
光景と重なります。
 東北の被災者とともに復興に向けて過ごした経験から、私は多くのものを学びました。
そのなかでも、「チャレンジ」という言葉は、私が最も大切にしている言葉であり、市政
運営の柱であります。
 多くの方が地震による大津波によって亡くなったなか、「生き残った自分たちは、死ん
だあいつの分までしっかりと生きないといけない」という言葉を聞いた私は、一度しかな
い人生を様々なことにチャレンジして、悔いのないように生きようと心に誓いました。
 市政においては、明確な解決策のない、困難な課題が数多くありますが、市民とともに
悔いのないよう力いっぱいチャレンジして立ち向かえば、必ず道は開けると確信しており
ます。これからも「対話とチャレンジ」をキーワードに持続可能なまちづくりを進めてま
いります。

 以上、新年度の予算等についてご審議いただくこの議会の冒頭に、改めて、令和6年度の
市政運営に対する私の思いを述べさせていただきました。着実な事業実施に向け、議員各
位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げまして、結びとさせていただきます。

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