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平成30年4月から国民健康保険制度が変わります

2018年3月29日更新

「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」の成立(平成27年5月27日)により、平成30年度から、都道府県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等、国保運営に中心的な役割を担い、制度の安定化を目指すこととなりました。

見直しの背景

国民健康保険制度は、日本の国民皆保険の基盤となる仕組みですが、「年齢構成が高く医療費水準が高い」「所得水準が低く保険料の負担が重い」「財政運営が不安定になるリスクの高い小規模保険者が多く、財政赤字の保険者も多く存在する」という構造的な課題を抱えていました。

国民医療費10年毎の推移のグラフ。1995年27兆円、2005年33.1兆円、2015年42.3兆円。この10年で、70歳以上の高齢者数は1.3倍に、国民医療費は1.3倍になりました。団塊世代が全員75歳以上になる2025年には、国民医療費の総額は61.8兆円にもなる見込みです。

見直し内容

見直しの柱

  • 国の責任として約3,400億円の追加的な財政支援(公費拡充)を行います。
  • 都道府県と市町村がともに国民健康保険の保険者となり、それぞれの役割を担います。

見直しによる主な変更点

  • 平成30年度から、都道府県も国民健康保険の保険者となります。(資格や保険料の賦課・徴収等の身近な窓口は、引き続きお住まいの市町村です。)
  • 平成30年度以降の一斉更新から、新しい被保険者証等には、居住地の都道府県名が表記されるようになります。 

都道府県が市町村ごとに決定した国保事業費納付金を市町村が納付する。都道府県が運営方針の策定(県内の統一的方針)をする。保険給付に必要な費用を、全額、各市町村に支払う(交付金の交付)。以上の事を市町村と都道府県でつないだ図。

都道府県と市町村の主な役割

1.財政運営

都道府県の主な役割

財政運営の責任主体

  • 市町村ごとの国保事業費納付金を決定
  • 財政安定化基金の設置・運営

市町村の主な役割

  • 国保事業納付金を都道府県に納付

2.資格管理

都道府県の主な役割

  • 国保運営方針に基づき、事務の効率化、標準化、広域化を推進

市町村の主な役割

  • 地域住民と身近な関係の中、資格を管理(被保険者証等の発行)

3.保険税の決定(賦課・徴収)

都道府県の主な役割

  • 国保運営方針に基づき、事務の効率化、標準化、広域化を推進
  • 標準的な算定方法等により、市町村ごとの標準保険税率を算定・公表

市町村の主な役割

  • 標準保険税率等を参考に保険税率を決定
  • 個々の事情に応じた賦課・徴収

4.保険給付

都道府県の主な役割

  • 国保運営方針に基づき、事務の効率化、標準化、広域化を推進
  • 給付に必要な費用を、全額、市町村に対して支払い
  • 市町村の行った保険給付の点検

市町村の主な役割

  • 保険給付の決定
  • 個々の事業に応じた窓口負担減免等

5. 保険事業

都道府県の主な役割

  • 市町村に対し、必要な助言・支援

市町村の主な役割

  • 被保険者の特性に応じたきめ細かい保険事業を実施(データヘルス事業等)

都道府県と市町村の主な役割について

  • 都道府県は、国保税の標準的な算定方式等に基づいて、市町村ごとの標準保険税率を算定・公表し、市町村では、都道府県が示す標準保険税率等を参考に、平成30年度からの国保税の算定方式等を定めることとなります。
  • 都道府県は医療給付費等の必要な費用の見込みを立て、市町村ごとの国保事業費納付金の額を決定し、各市町村に通知します。
  • 市町村では、納付金を納めるために必要な費用を、国保税として被保険者から納付していただくことになります。

見直しによる効果

効果1. 都道府県内での保険料負担の公平な支え合い

新しい財政運営の仕組み

  • 都道府県内で保険料負担を公平に支え合うため、都道府県が市町村ごとの医療費水準や所得水準に応じた国保事業費納付金(保険料負担)の額を決定し、保険給付に必要な費用を全額、保険給付費等交付金として市町村に対して支払います。これにより、市町村の財政は従来と比べて大きく安定します。
  • 都道府県は、市町村ごとの標準保険料率を提示(標準的な住民負担の見える化)し、市町村間で比較できるようになります。

保険料の賦課・徴収

  • 市町村はこれまで個別に給付金を推計し、保険料負担額を決定してきましたが、今後は都道府県に納付金を納めるため、都道府県の示す標準保険料等を参考に、それぞれの保険料算定方式や予定収納率に基づき、それぞれの保険料率を定め、保険料を賦課・徴収します。

効果2. サービスの拡充と保険者機能の強化

  • 都道府県は、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保のため、市町村との協議に基づき、都道府県内の統一的な運営方針としての国民健康保険運営方針を定め、市町村が担う事務の効率化、標準化、広域化を推進していきます。
  • 広域化により、平成30年度から、同一都道府県内での他の市町村に引っ越した場合でも、引っ越し前と同じ世帯であることが認められるときは、高額医療費の上限額支払回数のカウントが通算され、経済的な負担が軽減されます。
  • 今後、市町村は、より積極的に被保険者の予防・健康づくりを進めるために様々な働きかけを行い、地域づくり・まちづくりの担い手として、関係者と連携・協力した取り組みを進めます。

国民健康保険制度の見直しによる効果の説明。効果1として、都道府県内での保険料負担の公平な支えあいと、効果2として、サービスの拡充と保険者機能の強化の説明文

加入者への影響について

  • 被保険者の資格管理が都道府県単位となり、保険証の記載も一部変更となります。ただし、現在交付している保険証は保険証に記載してあります有効期限までご利用いただけます。新しい様式の保険証は9月末までに郵送いたします。
  • 被保険者の資格管理が都道府県単位となりますが、各種届出・問い合わせ窓口は従前どおり市町村となっております。
  • 高額療養費の多数回該当の通算方法が変更となります。同じ都道府県内の転居であり、世帯の継続性が認められるときは高額療養費の該当回数が通算され、経済的な負担が軽減されます。

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