静岡県は、東日本大震災を始め第3次地震被害想定以降に発生した地震・津波災害の教訓や蓄積された科学的知見を生かし、東海地震を中心としたレベル1の地震と南海トラフで発生するレベル2の巨大地震による被害の様相をあらかじめ想定し、今後の地震・津波対策の基礎資料として活用するため、第4次地震被害想定を発表しました。
今回、自分の住んでいる場所の被害想定を知り、地域や家庭における地震に対する防災意識の高揚と家庭内等における対策の推進を図るため、掛川市における町丁字別被害想定を取りまとめました。
1.項目と内容
1.項目と内容
使用する各データーについては、すべり量が大きく強い地震動を発生させる強震動生成域を、市域を含む東側ケース、建物被害は予知なしで午後6時に発災したと想定して、最も被害が大きくなるケースから抽出した。
項目 | 公表内容 |
---|---|
震度面積 | 「震度7」「震度6強」の面積(平方キロメートル) |
津波浸水面積 | 「1センチメートル以上」「1メートル以上」「2メートル以上」「5メートル以上」「10メートル以上」の面積(平方キロメートル) |
液状化可能性 | 「大」「中」「小」「なし」「対象外」の面積(平方キロメートル) |
建物被害 | 全壊と半壊の棟数 「対象建物」「揺れ」「液状化」「人工造成地」「津波」「山崖崩れ」「火災」「合計と区域内割合」 |
注:震度、津波浸水域、液状化可能性の図面については、県の総合基盤地理情報システム(GIS)で、拡大して詳細な位置まで確認することが出来ます。
(関連リンクから移動できます)
2.町丁字の範囲
1.町丁字
掛川、旭ヶ丘1丁目、大池、大坂、西大渕等の字ごとに、174に分割。
データーは町丁字であるため、自主防災会の範囲とは一致しない。
町丁字 | 該当する自主防災会 |
---|---|
掛川 | 松尾町、城内、西町、瓦町、紺屋町・神明町・六軒町の一部 等 |
旭ヶ丘1丁目 | 旭ヶ丘 |
旭ヶ丘2丁目 | 旭ヶ丘 |
大坂 | 東大阪、大坂、三井 |
2.掛川市の町丁字別被害想定
1.震度
1.想定条件
被害が最も大きいレベル2の東側ケースを使用した。
- 250メートルメッシュで地表の地震動を予測
2.想定結果
項目 | 震度7 | 震度6 |
---|---|---|
町丁字数 | 155 | 89 |
合計面積 | 132.64平方キロメートル | 132.99平方キロメートル |
- 内陸直下型の地震のため、最初に強い縦揺れで、続いて大きく激しい横揺れとなる。
- 強弱を繰り返しながら強く大きな揺れが、3分から4分間継続する可能性が高い。
- 本震直後から激しい余震活動が発生し、1週間から10日程度は特に注意が必要。
2.津波浸水面積
1.想定条件
内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」のモデルをベースに算出。
- 沿岸部の計算メッシュは10メートル。
- モデルに組み込む河川は、一級河川と二級河川の内38河川。掛川市では、菊川と弁財天川が対象。
- 38河川以外の河口幅10メートル以下の川は、川として表現せず10メートルメッシュの溝として算定。
- 構造物計算条件
種別 | 計算条件 | 越流条件 |
---|---|---|
土堤 | 75%沈下 25%残存 | 越流破堤 |
防波堤 | 破壊 | |
水門(耐震性) | 破壊しない | 越流破堤 |
2.想定結果
浸水面積 | 1センチメートル以上 | 1メートル以上 | 2メートル以上 | 5メートル以上 | 10メートル以上 |
---|---|---|---|---|---|
町丁字数 | 9 | 9 | 9 | 5 | 0 |
合計面積 | 5.46平方キロメートル | 3.10平方キロメートル | 1.55平方キロメートル | 0.56平方キロメートル | 0.05平方キロメートル |
最大面積の町丁字 | 大渕 1.09平方キロメートル | 大渕 0.64平方キロメートル | 大渕 0.32平方キロメートル | 大渕 0.05平方キロメートル | 海岸等 0.05平方キロメートル |
3.液状化可能性
1.想定条件
地盤の液状化の可能性を250メートルメッシュで予測。
- 対象は、震度5弱以上の低地(対象外は、山地・山麓地・河川・湖沼等)。
- 可能性が大きい場所は、埋立地・海岸線や河川沿いの沖積平野で、地下水位の高い場所。
2.想定結果
項目 | 大 | 中 | 小 | なし | 対象外 |
---|---|---|---|---|---|
町丁字数 | 50 | 80 | 45 | 32 | 169 |
合計面積 | 11.20平方キロメートル | 14.50平方キロメートル | 4.86平方キロメートル | 9.39平方キロメートル | 225.67平方キロメートル |
最大面積の町丁字 | 千浜 1.36平方キロメートル | 大渕 1.64平方キロメートル | 千浜 0.81平方キロメートル | 大渕 3.01平方キロメートル |
4.建物被害
1.想定条件
日常生活に密接に関係する建物の全壊・半壊を推計。
250メートルメッシュで算定した結果を町丁字区域で配分。
- 地震動
地震動の分布と地域別の建物棟数データーに、被害率を乗じて算出。
被害率は、既往地震の被害実績を使い、構造別・年代別・階数別に設定。
建物棟数データーは、固定資産課税台帳と非課税建物台帳から作成。
建物データーから除外するものとして、付属屋、物置、土蔵等がある。
構造 | 年代 | 階数 |
---|---|---|
木造 | 1961年以前・62年から71年・72年から81年・1982年以後 | 区別なし |
S造 | 1981年以前・1982年以後 | 1階から2階・3階から4階・5階から6階・7階以上 |
軽量S造 | 区別なし | 区別なし |
RC造 SRC造 | 1971年以前・72年から81年・1982年以後 | 1階から2階・3階から4階・5階から6階・7階から10階・11階以上 |
RC造 SRC造 | 1982年以後 | 1階から4階・5階から6階・7階から10階・11階以上 |
- 液状化
構造別・建築年次別棟数を、液状化危険度と全壊・半壊率を関連させ算出 - 人工造成地
造成地の建物被害率を用いて算出。
沖積地盤は、切土部・洪積地盤の被害率の4.65倍。 - 山・崖崩れ
急傾斜危険地、地滑り危険地を対象。
地震動と斜面の危険度判定基準に基づいて危険度ランクを定め、
危険度ランク別に、各危険箇所の崩壊確率を定めた。 - 津波
東日本大震災の浸水深ごと建物被害状況の構成割合から算出。
火災建物全壊率と出火率との関係から算出。 - 火災
建物全壊率と出火率との関係から算出。
2.想定結果
項目 | 揺れ | 液状化 | 人工造成地 | 津波 | 山崖崩れ | 火災 |
---|---|---|---|---|---|---|
町丁字数 | 174 | 16 | 116 | 4 | 47 | 36 |
合計棟数 | 16,834棟 | 29棟 | 1,969棟 | 31棟 | 81棟 | 2,078棟 |
最多の町丁字 | 大坂 1,258棟 | 千浜 3棟 | 掛川 126棟 | 千浜 27棟 | 佐束 7棟 | 横須賀 208棟 |
項目 | 揺れ | 液状化 | 人工造成地 | 津波 | 山崖崩れ |
---|---|---|---|---|---|
町丁字数 | 161 | 41 | 169 | 9 | 59 |
合計棟数 | 6,801棟 | 103棟 | 5,907棟 | 66棟 | 188棟 |
最多の町丁字 | 大坂 342棟 | 三浜 8棟 | 掛川 377棟 | 国安 28棟 | 倉真 15棟 |
3.町丁字別被害想定 一覧表
一覧表で、町丁字ごとの被害想定を確認出来ます。
4.被害想定図面
図面は、拡大して細部を確認することも出来ます。
震度分布、浸水域、液状化可能性については、関連リンクの「静岡県総合基盤地理情報システム(GIS)」で、さらに詳細に確認することが出来ます。
関連リンク
静岡県総合基盤地理情報システム(GIS)の使い方
- 利用規約に同意する。
- 「情報を選ぶ」をクリックして、必要な情報を選択する。
- 震度:第4次地震被害想定は、震度分布(南海トラフ東側)を選択
- 浸水域:第4次地震被害想定は、津波想定(レベル2重合せ図)を選択
- 液状化危険度:第4次地震被害想定は、液状化(南海トラフ東側)を選択