総合トップ記事第449回 健康長寿は一朝一夕にしてならず!

第449回 健康長寿は一朝一夕にしてならず!

2013年10月29日更新

掛川市保健予防課長 松下 きみ子

今年、厚生労働省より発表された日本の平均寿命は男性79.94歳、女性86.41歳でした。掛川市の平均寿命は男性が80.5歳、女性が86.7歳、県下35の市町中でも男性は5位、女性は3位と、全国や県の平均よりも長寿の方が多いと言えます。
古来より、還暦「60歳」は、十干十二支が一回りし、再び生まれ年の干支を迎えるため二度目の誕生日として、お祝いしてきました。現在では、会社人間から地域に戻り「第二の人生を歩み始める」時期でしょうか。
古稀(希)「70歳」は、唐の詩人、杜甫の詩「曲江」の中にある「人生七十古来稀(70年生きる人は古くからまれである)」という一説から、こう呼ばれているそうです。今は、70歳まで生きることは「稀(まれ)」ではなくなり、「地域で活躍する」時期となりました。現在50歳の男性の22.4%、女性の47.3%が90歳までご存命と試算されていますから、卒寿「90歳」も稀ではなくなるでしょう。さらに百寿「100歳」では、男性の1.4%、女性の6.5%がご存命とされていますから、50年後は、百寿を迎える方も稀ではなくなるかもしれません。現在の掛川市内にも100歳以上の方は51人いらっしゃいます。(平成25年10月1日現在)
また、誰もが望むところが「健康長寿」です。健康寿命は各市町村では算出できませんので、静岡県では、独自に各市町の65歳の平均自立期間「お達者度」を算出しています。「お達者度」は長ければ長いほど良いことになりますが、掛川市は男性17.76年、女性20.50年と、県下35市町中では男性11位、女性25位でした。平均寿命の順位と比較するとやや低めの結果となり、介護を受ける期間が長めなことがわかりました。
「お達者度」の長い長泉町、磐田市、裾野市をみてみると、三つの特徴がありました。それは、

  1. 地域や家族の中で役割を担っている人
  2. スポーツ・体操・ウォーキングなど運動習慣のある人
  3. 多世代同居者が多い

ということです。また、これらの市町は、健診の受診率が高いという結果も出ています。
掛川市の健診受診率を見てみると、残念なことに決して高いとは言えません。また、健診結果からは、健康長寿を阻害する“糖尿病と高血圧の予備群が多い”ことがわかりました。そこで、保健予防課では、糖尿病や高血圧などの生活習慣病予防のために「かけがわふじ33(さんさん)プログラム」という名称で、企業や地区で講座を開催しています。このプログラムは、「食事」「運動」「社会参加」の3つをメインテーマに、3か月の継続と望ましい生活習慣の獲得を目標に健康づくりを行い、健康増進、自立期間を延ばし、ひいては健康長寿を目指すものです。「聞いてみたい」「やってみたい」というご希望があれば、ぜひ保健予防課に声をかけてください。お茶と「かけがわふじ33プログラム」で、適正な生活習慣を送り、元気な百寿がたくさん住む掛川市にしたいものですね。

市内の企業で 「かけがわふじ33(さんさん)プログラム」

企業で味覚の達人チェックをしている様子

”味覚の達人チエック”で、塩味が分かるか挑戦します。
体験者の声
「すぐ分ったよ!」
「微妙 びみょう~?!」

 

血圧や血管年齢測定もできます。

参加者が一列になって片足立ちをしている様子

どのくらいできるか挑戦します。”片足立ち”
何秒間できるでしょうか?
”柔軟性”
立ったままひざを曲げずに指先がどこまで届きますか?

体験者の声
「運動は苦手。でも仲間がいれば」
「これは簡単と思ったけど・・」

 

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