令和5年度施政方針

2023年2月24日更新

令和5年度の当初予算案並びに関連議案の審議をお願いするにあたり、施政方針を述べさせていただきます。

1 はじめに

 市長就任から、約2年が経とうとしています。
 就任以来、私は、「未来に向けてチャレンジできるまち」を目指して、市政を担ってきました。
 世界に目を向けると、ウクライナ侵攻からまもなく丸1年となります。これに伴い、エネルギー価格の上昇や食料品を中心とした値上げラッシュなど物価が高騰しています。
あわせて、新型コロナウイルス感染症には引き続き警戒しなければならず、市民生活には大きな負担がかかっています。さらに、令和4年の全国の出生数は初めて80万人を割り込む公算が大きくなっています。掛川市でも、現在の小学生は1学年あたり1100人程度ですが、昨年末の0歳児は800人を割り込みました。25%以上の下げ幅となり、少子化の勢いが止まらなくなっています。
 このような現実を前に、今こそ持続可能な地域を目指して、私たちは協力し合って、新しいまちづくりに取り組んでいく必要があります。
 そのなかで、特に大切と考えているのが、「人」と「環境」の持続可能性です。
 昨年の地区集会では、地域のリーダーの方から「地区役員のなり手がいない」という声を多くいただき、また、市内企業からは人材不足が大きな問題となっていると伺っております。
 このように、地域のなかでは、人材の定着や世代交代などが課題となっており、「人」の持続可能性が求められています。「人」はすべての地域活動の根本であり要であります。将来にわたって活動の担い手を引き継ぐことができる仕組みづくりを進めていきます。
 「環境」の持続可能性については、気候変動・エネルギー問題は「待ったなし」の状況です。ごみ減量日本一を継続するとともに、さらに先を見据えて、資源を燃やさない仕組みづくり、再生可能エネルギーの地産地消を進めていきます。
 掛川市が、「持続可能な地域」となることを目指して、「人」と「環境」を柱としてまちづくりを進めていきます。

2 自治体経営の基本事項

次に、自治体経営の基本事項について申し上げます。

(1) 組織機構

 1番目、組織機構についてです。
 令和5年度組織機構は、限られた人材で持続可能な行政経営を図り、第2次総合計画【ポストコロナ編】を着実に推進するため、効果的かつ効率的に事業を進めることのできる組織としました。
 まず、市民サービスを安定的に提供するために、「人事課」を設置し、働き方改革を加速度的に進めるとともに、持続可能な人材の確保・育成に努めていきます。   
 また、企画政策課には、新設する「デジタル戦略係」と経営戦略係からなる「経営戦略室」を設置し、戦略的な行政経営を図り、持続可能なまちづくりをより一層推進します。
 さらに、お互いを認め合い、安全安心で誰もが幸せに暮らすことができるまちを目指し、企画政策課に「ダイバーシティ戦略室」、福祉課に「障がい福祉室」、地域包括ケア推進課に「発達相談支援室」を設置します。また、より良い教育環境の整備に向け、教育政策課に「学校再編室」を設置し、学校再編計画を策定していきます。

(2) 当初予算

 2番目、当初予算についてです。
 令和5年度当初予算は、「人と環境の持続可能性にチャレンジする予算」としました。
 コロナ禍の影響が長期化する中、エネルギー価格や物価の高騰等により、依然として市民生活や地域経済は大きなダメージを受けています。
 掛川市が持続可能なまちであり続けるために、市民一人ひとりが輝き、いつでも、誰でも、何回でも「未来に向けてチャレンジできるまち」の実現を目指し、市民との対話を重視しながら、「人」と「環境」の持続可能性への取組を推進します。
 予算配分については、第2次総合計画を着実に推進する事業や、SDGs及び脱炭素推進事業等に予算を重点配分したほか、前年度に引き続いて、自由かつ柔軟な発想による新たな事業を職員に募った「未来チャレンジ枠」事業について、6事業、2,796万円を予算化したことに加え、新たに未来のまちづくりの担い手となる高校生や、市民活動団体等に対してもチャレンジ事業を公募する予算を合わせて300万円計上しました。
 その結果、一般会計は503億2千万円で、過去最大であった前年度当初予算と比べ、5億9千万円、1.2%の減となりましたが、500億円を超える過去3番目の予算規模となりました。また、特別会計と企業会計を合わせた予算総額は、848億2,060万円となりました。

3 重点施策

次に、令和5年度の重点施策について、第2次総合計画の7つの戦略の柱の分野ごとに申し上げます。

(1) 教育・文化分野

① 新しい学校教育の創造

 1番目の柱は、教育、文化分野です。
 1点目は、新しい学校教育の創造についてです。
 学校再編については、中学校区別に開催した市民意見交換会で出された意見やこれまの検討経過、地域の熟度等を参考に、「小・中学校再編計画」を策定します。計画に基づいて市内1校目となる小中一貫校建設に向けた検討を始めます。
 中学校の新たな制服については、小・中学生を対象とした投票を実施して制服のデザインを決定し、令和6年度に新しい制服を導入します。また、これに併せて、子どもたちの自律を促す校則の見直しを推進していきます。
 部活動の地域展開については、学校教育の一環として実施されていた部活動を、地域団体が運営する新たな文化・スポーツ活動「かけがわ地域クラブ(仮称)」へ移行するため、関係団体と具体的な活動内容等について協議を進めていきます。
 令和3年度から改修工事を実施してきた大東学校給食センターについては、4月からみなみ学校給食センターとして大東及び大須賀区域の小中学校へ給食の提供を開始します。
 学校給食費については、物価高騰のなかでも、栄養バランスのとれた安全・安心な給食を安定的に提供するため、やむを得ず、平成26年度以降据え置いてきた給食費を、1食当たり12%増とする改定を行います。
 保護者の経済的負担を考えると、心苦しいところではありますが、就学や医療への支援などとあわせて、子育て世帯をサポートしていきます。

② 文化・スポーツの振興

 2点目は、文化・スポーツの振興についてです。
 文化振興については、二の丸美術館に市民が気軽に立ち寄り、交流できるスペースを設け、身近に文化芸術を楽しむことができるようにするとともに、音楽や舞台芸術などの幅広い分野のプロジェクトによる茶エンナーレに向けて、文化芸術に対する気運を高めていきます。
 文化財の保存と活用については、地域ぐるみによる計画的な保存・活用を推進する「文化財保存活用地域計画」、スポーツの振興については、スポーツに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図る「スポーツ推進計画」の策定を進めていきます。

(2) 健康・子育て・福祉分野

① 新型コロナ感染症対策

 2番目の柱は、健康・子育て・福祉分野です。
 1点目は、新型コロナ感染症対策についてです。
 感染症法上の位置づけが、2類相当から5類に移行する方針が示されました。
 これから国が、どのように緩和を進めていくのか動向を見極めつつ、引き続き、感染予防、発症予防、重症化予防のため、新型コロナワクチン接種を進めます。
 今後も、小笠医師会などの関係機関と診療機能体制の確保を図るとともに、感染予防等に関する適切な情報発信や、抗原検査キットを活用した感染拡大防止に努めていきます。

② 子育て支援

 2点目は、子育て支援についてです。
 子育て支援の充実については、子ども医療費助成事業を、すでに実施している未就学児の入院・通院費自己負担分の無償化に加え、10月診療分からは、小学生以上の通院費自己負担分及び入院時食事療養費分についても、所得制限なく「完全無料化」を実施します。
 また、新たに「掛川市子育て応援チャンネル(仮称)かけっこちゃんねる」を開設するとともに、子育て世代が、より身近に、親しみやすく感じてもらえる子育て支援施設のPR動画を作成し、情報発信していきます。
 乳幼児教育・保育環境の充実については、保育士等の待遇向上と専門性の強化を目的とした「保育士等キャリアアップ研修」を近隣の4市1町が連携し、それぞれ県の研修実施機関の指定を受けて実施していきます。
 加えて、保育士等を確保するため、「保育士・幼稚園教諭のお仕事応援相談会」の開催や、市内の保育所等に勤務しようとする方に就職の準備費用を貸付するほか、保育士用の宿舎を事業者が借り上げる費用の一部を補助することで、保育士等の確保につなげていきます。
 学童保育の充実については、西山口小学童保育所や、西郷小学童保育所の施設整備が完了し、39クラブを運営していきます。

③ 発達に不安のある子どもへの支援

 3点目は、発達に不安のある子どもへの支援についてです。
 個々の発達に応じた適切な支援を行うために、発達相談支援センター「のびる~む」において、専門職による一体的な相談および検査体制の構築を計画的に進めていきます。また、切れ目のない発達支援体制の構築のため、関係機関との連携強化を図っていきます。

④ 健康づくりの推進

 4点目は、健康づくりの推進についてです。
 「生涯お達者市民推進プラン」による健康づくり事業については、健康寿命の4つの要素である「食事」「運動」「社会参加」「健診」を全庁的な体制で推進していくとともに、きんじろう健康アプリ「きんトレ」の活用など、市民の健康づくりへの取り組みをより効果的に支援していきます。

⑤ 社会的弱者への支援

 5点目は、社会的弱者への支援についてです。
 介護予防や認知症施策については、リハビリテーション専門職等と連携しながら、高齢者が集う地域の通いの場における活動を拡充し、高齢者の健康寿命の延伸を図っていきます。
 さらに、難聴の早期改善を図ることが、聴力の低下や家庭内の孤立の防止、及び外出の促進につながり、認知症予防の効果が期待できることから、新たに40歳以上を対象に補聴器購入費助成事業を実施していきます。
 ひきこもり対策については、令和4年度に開始した居場所「Myラボ」に加え、新たに専門職を配置した「ひきこもり地域支援センター」を開設し、支援体制の充実を図っていきます。
 障がいのある方の就労では、就労先の新規開拓や障がいの特性に応じた就労支援を進めるとともに、就労の継続が図られるよう支援に努めます。また、生活困窮者が抱える多様で複合的な問題では、様々な支援を一体的かつ総合的に行うことにより、生活困窮者の自立の促進を図っていきます。

(3) 環境分野

① 環境の持続可能性

 3番目の柱は、環境分野です。
 1点目は、環境の持続可能性についてです。
 2050年のカーボンニュートラル実現に向け、使用済み紙おむつや生ごみなどのリサイクルについて研究を進めるとともに、燃やさずに資源化する仕組みの構築に向けて検討していきます。また、更なる市民意識の向上を図り、食品ロス削減に向けた計画を作成し、ごみ減量日本一の継続を目指します。
 省エネ・再生可能エネルギーの普及促進については、地域新電力事業を核とした地産エネルギーの活用や、公共施設への太陽光パネルの増設・照明のLED化を進めます。
 さて、先日、私は市内企業の医薬品製造設備の竣工式に伺いました。この設備は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を受け、画期的な省エネルギー技術により、従来設備の80%に相当するエネルギー削減効果を実現したそうです。このような先駆的な取組をしている企業との連携を深めつつ、新たに中小企業等の省エネ設備の導入を支援していきます。また、自然環境と再エネ発電事業の調和を図るための条例制定を目指します。
 新たな廃棄物処理施設の整備については、地元との対話を重ね決定した方針に基づき、「基本計画」や「地域計画」を策定し、安定的で安全安心な施設の早期供用開始に向けた取り組みを進めていきます。
 森林の保全と活用については、森林の持つ多面的な機能が持続的に発揮できるよう、森林経営管理制度や森林環境譲与税による森林整備を実施します。
 海岸線地域については、交流人口の拡大と地域力の向上を目指した掛川市海岸線地域ビジョン実施計画を策定します。

② 持続可能な上下水道

 2点目は、持続可能な上下水道についてです。
 水道事業については、基幹管路や原谷配水池の耐震化を進め、簡易水道事業については、将来的な維持管理を見据え最適な事業運営について検討していきます。
 下水道事業については、生活排水処理実施計画を基に、汚水処理人口普及率の向上を図っていきます。また、汚水処理施設を適切に維持管理するとともに、持続可能な経営のため、葛ヶ丘、土方の両地区の公共下水道への統合を進めるなど、ストックマネジメントを推進していきます。
 リニア建設に伴う大井川の水問題では、引き続き、静岡県や流域市町と連携しJR東海に対して、水資源の確保と水の安全性に対する市民の不安や懸念を払拭するよう求めていきます。

(4) 産業・経済分野

① 産業の振興

 4番目の柱は、産業・経済分野です。
 1点目は、産業の振興についてです。
 産業基盤の強化については、上西郷地区整備推進事業において、令和7年度の完成を目指し、造成工事を着実に進めるとともに、事業協力者と連携し、企業誘致を進めていきます。
 新エコポリス工業団地第3期については、用地買収を進めながら、工事着手に向け、測量設計などの業務を実施していきます。新東名高速道路(仮称)掛川第2PAでは、民間事業者と協力し、早期の開業に向け、事業を推進していきます。
 企業の取組支援については、市内企業の魅力や情報を発信するサイトを新たに構築し、市内への就職者や定住人口の増加に繋げ、地域産業の活性化と持続可能なまちづくりを進めていきます。
 また、ふるさと納税の効果的なPR、体験型の新たな返礼品の開発、新規返礼品事業者の開拓を行い、掛川市の魅力発信と地域経済の活性化に繋げていきます。

② 力強い農業の確立

 2点目は、力強い農業の確立についてです。
 攻めの農業、儲かる農業への支援については、新たに上内田・正道(まさみち)地区を加えた市内12地区において土地改良事業を進めるとともに、新規就農者・後継者の確保と育成、地域農業者の組織化・法人化を支援していきます。
 スマート農業の推進については、ICTなどを活用した施設園芸の支援のほか、佐束地区において自動測定・遠隔操作による水田管理システムの導入を進める等、収量の向上と作業の省力化を図ります。
 掛川茶の振興については、「掛川茶未来創造プロジェクト」に基づき、生産体制の強化、流通構造の改革、消費拡大策を推進していきます。なかでも、生産者の持続可能な経営を担保する新たな荒茶流通構造として「茶業版フェアトレード」の構築を、生産者、農協、茶商社と連携し目指します。また、有機農業を拡大するため、現在策定中の「有機農業実施計画」及び「オーガニックビレッジ宣言」に基づき、生産から消費まで一貫した地域ぐるみの取組を推進します。

(5) シティプロモーション分野

① 魅力発信で選ばれるまち

 5番目の柱は、シティプロモーション分野です。
 1点目は、魅力発信で選ばれるまちについてです。
 市政情報については、広報紙・インターネット・テレビのdボタンに加えプレスリリース配信サービスの活用などそれぞれのメディアの強みを生かした積極的な情報発信を進めていきます。また、将来を担う若い世代の意見を市政に反映させるため、高校生等との意見交換会を行います。
 シティプロモーションについては、令和6年度の掛川城開門30周年、令和7年度の掛川市制20周年を大きなチャンスと捉え動画制作など、全庁横断的に総合的・戦略的なプロモーションを展開していきます。
 移住・定住の促進では、関係人口・交流人口の拡大のため、地域おこし協力隊を増員し、掛川市の魅力や暮らしやすさの情報発信を強化していきます。
 企業版ふるさと納税の推進では、掛川市の抱える地域課題の解決に向けて応援いただける企業に、より多くのご寄付をいただき、地方創生事業を充実していきます。

② 観光交流の推進

 2点目は、観光交流の推進についてです。
 NHK大河ドラマ「どうする家康」を好機と捉え、人気のバーチャル空間まちづくりゲームのなかで高天神城を復元できるようにするなど、引き続き掛川の3つのお城に注目していただき、観光交流客の増加を図ります。
 修学旅行やスポーツ合宿等の教育旅行については、「掛川学び旅」として構築する受入れ体制や、教育旅行等宿泊費補助金を活用し、学生等の誘客を進めていきます。

(6) 安全・安心・都市基盤分野

① 防災力の強化

 6番目の柱は、安全・安心・都市基盤分野です。
 1点目は、防災力の強化についてです。
 家庭の防災力の向上については、昨年の台風15号の反省を踏まえ、災害時における情報の伝達や収集の重要性から、LINEや防災メールの登録者数の増加を図り、デジタル版「家庭の避難計画」の作成を啓発するとともに、災害時にリアルタイムに情報収集できるシステムを導入し、減災対策を強化していきます。
 防災における外国人対応については、4ヵ国語に対応した防災ガイドブックの作成や、多言語対応の静岡県防災アプリを周知していきます。
 原子力災害への備えでは、広域避難計画の避難先となる富山県や愛知県の27市町村と協議を進め、現地調査や「避難経由所運営マニュアル」の作成を進めていきます。

② 災害対策の強化

 2点目は、災害対策の強化についてです。
 海岸防災林強化事業「掛川潮騒の杜」については、現在の進捗率は63%であり、市長就任時から18%ほど整備が進みました。国、県及び民間からの土砂を盛土材として積極的に活用し、令和8年度末の完成を目指し取り組んでいきます。
 災害に強い社会基盤の整備では、「総合治水計画」に基づいて河川流域のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる治水対策を進めていきます。

③ 消防救急の迅速化・高度化

 3点目は、消防救急の迅速化・高度化についてです。
 救急出動について、昨年は過去最多となる4,418件の出動がありました。引き続き救急隊の効果的な運用や、感染症対策などの救急体制の充実を図ります。
 また、災害への対応力の強化については、高機能ドローンを有効活用し、自然災害への対応力を強化するとともに、近隣の消防本部と柔軟な連携・協力体制の充実を進めていきます。
 未来の消防を描くグランドデザインについては、市民生活の基盤を守り、安全で安心な暮らしを支える実効性のある計画を策定していきます。
 地域防災力の要である消防団では、組織再編や団員定数などの検討を進めるとともに、引き続き、地域から信頼される、魅力ある消防団を目指して、地域防災のエキスパートとなる人材を育成します。

④ 多極ネットワーク型コンパクトシティの推進

 4点目は、多極ネットワーク型コンパクトシティの推進についてです。
 掛川駅周辺の賑わい創出については、「かけがわストリートテラス」の取組に加えて、空き店舗を活用した社会実験等を継続し、「歩いて楽しめるまち掛川」を推進していきます。また、歩道の点字ブロック整備を進めるほか、駅北口広場のバリアフリー化に着手します。さらに、掛川城周辺の歴史的な街並みに調和した空間づくりのため、無電柱化やサイン整備などを推進していきます。
 市街地南部の土地利用構想については、JR掛川駅や東名掛川ICに近い県道磐田掛川線沿線の南西郷地区を対象に、今後の土地利活用案の策定を進めるとともに、事業手法の検討などに着手していきます。
 まちづくり事業では、下垂木地区、大坂地区において道路改良事業を進めるほか、景観形成重点地区である横須賀街道においても、魅力的なまちづくりに向けて、地域との話し合いを重ね、無電柱化に向けた検討を進めていきます。
 地域公共交通では、各地域の実情とニーズにあわせた公共交通体系の構築を目指し、「地域公共交通計画」を策定していきます。

⑤ 幹線道路の整備

 5点目は、幹線道路の整備についてです。
 広域幹線道路については、市道桜木中横断線、市道掛川駅梅橋線、市道三井幹線の3路線について、地域間を結ぶ重要路線として重点的に事業を推進していきます。
 国道1号バイパスについては、交通混雑の緩和のための早期4車線化に向けて、期成同盟会による要望活動に加え、市議会のご協力もいただきながら国に強く要望していきます。
 東名高速道路の(仮称)掛川西スマートICの設置では、事業実施に向けて、NEXCO中日本や国土交通省、静岡県等関係機関と協議を重ねていきます。

(7) 協働・広域・行財政分野

① ダイバーシティ・協働のまちづくりの推進

 7番目の柱は、協働・広域・行財政分野です。
 1点目は、ダイバーシティ・協働のまちづくりの推進についてです。
 多様な価値観や個性等をお互いが公平性に配慮・尊重し受容できるダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進するため、対話による理解を深める「かけがわダイバーシティカフェ」など、各種プロジェクトを実施していきます。
 LGBTQなどの性的少数者に対する理解促進については、令和5年3月からスタートする静岡県パートナーシップ宣誓制度への参画・連携を図り、併せて掛川市独自のサービスを提供していきます。
 協働のまちづくりについては、高校生チャレンジ公募委託事業を新たに設けるなど、若い世代のチャレンジを応援するとともに、行政と市民活動団体、団体同士が、それぞれの強みや経験を生かし合う取組を促進し、協働によるまちづくりの更なる進展を図ります。
 自治会の運営体制については、役員の担い手不足の自治区が増加する状況を踏まえ、持続可能な運営体制構築のための支援と担い手の育成のために必要な環境整備を進めます。

② 未来に向けてのまちづくり

 2点目は、未来に向けてのまちづくりについてです。
 公共施設マネジメントについては、将来の地域や掛川市のあり方にも繋がる重要な取組であり、地域や利用者等の関係者と充分に対話をしながら進めていきます。たまり~なの屋内遊び場等への再整備については、DBO方式による実施事業者選定を進め、令和7年度冬ごろのリニューアルオープンを目指し、官民協働による魅力ある施設づくりを進めていきます。
 DXの推進については、掛川市DX推進計画に基づき、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を推進し、外部人材のアドバイスを受けながら、多様な人の幸せ(Well-being)が実現できる社会を目指します。そのため、電子申請においてオンライン決済を導入し、申請から支払いまで完結できるよう、「手のひら市役所」の機能充実を図るとともに、窓口においてもクレジットカードやスマートフォンを使ったキャッシュレス決済の導入を進めていきます。
 証明書コンビニ交付については、住民票等の証明書のコンビニエンスストアでの交付手数料をすべて100円に減額します。また、市役所本庁舎内にコンビニエンスストアと同じ専用端末機を設置し、証明書の自動交付を実際に体験していただき、コンビニ交付の利用促進に努めていきます。

4 おわりに

 おわりとなりますが、先般、市内の小学生のこども達と直接話をする機会がありました。私からは自分がこどもの頃の話やなぜ市長になったのかなどを話したところ、こども達からは「掛川のことをもっとよく知りたい」「将来は掛川市のために、なにかしたい」という、とても嬉しい返事をいただきました。このこども達のチャレンジをしっかりサポートしていきたい。さらに、この新しい世代に、よりよい掛川市を引き継いでいきたい。それが、市長としての私の使命だと考えています。掛川市が「持続可能な地域」となることを目指して、多くの方々との対話を通して市政に全力で取り組んでいきます。

 以上、新年度の予算等についてご審議いただくこの議会の冒頭に、改めて、令和5年度の市政運営に対する私の思いを述べさせていただきました。着実な事業実施に向け、議員各位のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。

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