研究の背景
2011年11月17日更新
1 各研究者における研究実績
- 東北大学では大規模コホート研究によって、緑茶摂取により循環器疾患死亡リスクが有意に低下することを発見した(JAMA2006:米国農務省にて招待講演2007)。
- 掛川市立総合病院では、C型肝炎のインターフェロン治療に緑茶を併用し治療効果を高めている。
- 野菜茶業研究所では、抗アレルギー作用のある茶品種を用い、飲食品、スキンケア商品を開発した。
- 茶カテキン類の脂質代謝改善効果、糖尿病改善効果が動物実験で示唆されている。
- 掛川市では先行試験として2008年に『やぶきた』の吸収率試験、生活習慣病予防効果の検証のための試験を実施した。
2 緑茶生産地の健康状況
掛川市など県西部地域では住民の死亡率(全死因SMR)が静岡県の中でも低く、健康的な地域となっています。一因として、国内有数の緑茶生産地である静岡県の中でも生産量が多い地域であるため、緑茶(リーフ茶)の飲用が健康に影響を与えているということが、考えられます。
全死因SMR(総数:2001年から2005年)
静岡県市町村別健康指標(X VI)参照
静岡県内 市町村別2005年荒茶生産量
- 牧之原市 6,640トン
- 掛川市 6,520トン
- 島田市 5,600トン
- 菊川市 4,840トン
- 静岡市 4,690トン
- 藤枝市 2,270トン
- 富士市 2,180トン
- 御前崎市 2,170トン
- 袋井市 1,960トン
- 磐田市 1,700トン
- 沼津市 1,230トン
- 浜松市 1,010トン
- 川根本町 756トン
- 森町 716トン
- 富士宮市 333トン
3 緑茶の現況
静岡県は緑茶の生産量が全国の40%ほどを占め日本一の緑茶産地です。しかし、最近は消費者の緑茶(リーフ茶)離れ、外国からの輸入茶葉の増加、茶系飲料ペットボトルの普及などによって静岡県の荒茶生産量も減り、茶葉の平均価格も下がってきており、県内の茶業関係者にとっては厳しい状況となっています。
静岡県荒茶生産量と平均価格
静岡県荒茶生産量と平均価格
荒茶生産量は、平成16年では44,000トンを上回っていたが、平成17年から平成18年にかけて4,000トンほど減少し、平成18年から平成20年については4万トン前後の生産量になっている。
平均価格は、平成16年は1キログラム当たり2,000円弱であったが、平成17年は1,800円、平成18年は約1,700円と減少し、平成18年から平成19年については約1740円と若干増加したが、平成20年には1,600円を下回る価格となった。
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