令和7年8月定例会行政報告

2025年9月1日更新

市議会8月定例会の開会に際し、行政報告を申し上げます。

第三次総合計画の策定に向けた取り組みについて

 はじめに、第三次総合計画の策定に向けた取り組みについて、申し上げます。
 今回の計画は、市民一人ひとりの心に共感を呼び、共に未来を創造していくための、チャレンジ精神に満ちた羅針盤となると考えております。
 計画策定を通じて、自ら動くという市民性やこれまで培ってきた生涯学習、その根幹にある報徳思想を活かし、多くのステークホルダーを巻き込みながら、まちづくりを共創するきっかけとしてまいります。
 このコンセプトのもと、7月31日と8月1日の2日間にわたり、将来ビジョンを描く住民ワークショップを4回開催しました。ワークショップには、組織や立場を超え、多様な分野で活躍する住民、企業、学生、そして市職員など、延べ約50名の次世代のリーダーが集結しました。
 参加者の皆様は、オープンな対話を通じて掛川の真の魅力を整理するとともに、10年後の自分から今の自分へ手紙を書くという、ユニークなアプローチで「未来に残したい掛川の姿」や「新たに創り出したい価値」を描き出しました。
 このワークショップで生まれた、かけがえのないアイデアや熱い想いをもとに、未来に向けた掛川の理想像を将来ビジョンとしてまとめてまいります。

未来を切り開く画期的な取り組み、AIオンデマンド交通の実証実験事業について

 次に、未来を切り開く画期的な取り組み、AIオンデマンド交通の実証実験事業について申し上げます。
 桜木地区で10月1日からスタートするこの実証実験は、7月24日に開催された掛川市地域公共交通会議で、運行形態や停留所、運行期間・時間などの詳細が委員の皆様から承認され、いよいよ本格始動いたします。
 停留所は、地区内外に設置される107箇所の表示付き停留所に加え、約1,000箇所もの仮想停留所を地区内に設置します。仮想停留所は約200~300m間隔で設定され、桜木地区の皆様の御自宅からすぐ近くに利用可能な停留所ができる仕組みです。
 これまで離れたバス停留所へ時間を掛けて歩いていた方も、その必要は無くなります。仮想停留所の位置は専用の利用者アプリで簡単に確認できますので、迷う心配もありません。新たな公共交通の形をぜひ御体感ください。
 現在、桜木地区区長会の皆様と連携しながら仮想停留所の設定や利用者アプリの開発を進めています。
 9月下旬にはアプリの運用開始を予定しており、それに合わせて桜木地区内で事業説明会を開催いたします。説明会では、アプリへの登録方法や予約・乗車方法を丁寧に御説明するほか、実際にスマートフォンなどを使った利用者登録や予約を体験していただけます。
 これにより、より多くの皆様にこの便利なサービスを知っていただき、気軽に御利用いただけるよう努めてまいります。
 さらに、今回のAIオンデマンド交通事業は、親しみやすい愛称「CHAI(ちゃい)のり号」とすることに決定いたしました。「お茶」「AI」「相乗り」を組み合わせたこの名前には、掛川市らしい魅力と未来への期待が込められています。
 市民の皆様にたくさん御利用いただき、そのデータをしっかり分析することで、次年度以降の本格的な導入につなげてまいります。

空き家活用モデル事業について

 次に、空き家活用モデル事業について、申し上げます。
 この事業は、市内の空き家活用を促進するため、空き家を利用して地域活性化に貢献する施設を設置する事業者に対して、対象経費の3分の2以内、上限1,000万円を補助するものです。
 先般の審査会の結果、横須賀街道沿いの歴史ある町家を、カフェと宿を併設した誰もが立ち寄れる「町のたまり場」に再生し、交流・学び・文化継承・地域経済循環・移住体験の5つのテーマで新たな賑わいの場を地域に生み出す事業や、県内初の「里山留学」を受け入れた倉真地区において、新たに空き家2件を留学生用に改修し、地域全体で留学生を支え、地域体験会を開催するといった、里山の魅力を広げる活動拠点とする事業など、それぞれの地域課題に対応した事業提案をされた4件の事業者を採択いたしました。
 採択された事業者は、現在、空き家の改修工事など、提案事業を開始するための準備に入っており、来年2月末までには施設整備を完了し、今年度中に運営を開始していただく予定です。
 それぞれの事業の内容につきましては、広報かけがわの空き家特集ページやSNSなどを活用し、積極的にPRを行うとともに、空き家の利活用の促進や地域課題の解決に繋げてまいります。

掛川市制20周年記念事業「掛川だれでもスポーツチャレンジ」について

 次に、掛川市制20周年記念事業の一つである「掛川だれでもスポーツチャレンジ」について、申し上げます。
 「掛川・新茶マラソン」に代わる新たなスポーツイベント「掛川だれでもスポーツチャレンジ」は、スポーツへの関わり方を問わず、市民が誰でも参加でき、「観て、感じて、楽しめる」を基本コンセプトに、9月28日にし~すぽ及びさんりーなの2会場で同時開催いたします。
 20周年の記念企画「みんなでダンス!ダンス!」は、2会場の参加者がダンスで一つにつながるとともに、当日、会場に来られない方から投稿されたダンス動画と合わせて、20周年記念ムービーとして仕上げます。
 その他にも、バドミントンや卓球、ボッチャ、スケートボード、eスポーツなど、各種スポーツの無料体験会が行われるほか、パリオリンピックで旗手を務めたブレイクダンス日本代表のShigekix(しげきっくす)こと、半井重幸(なからいしげゆき)さんによるステージパフォーマンス、掛川市出身の金メダリスト、杉浦佳子さんらのゲスト出演、姉妹都市の岩手県奥州市の協力により大谷翔平選手の握手像の設置など、スポーツの体験だけでなく、トップアスリートとの交流といった多種多様なプログラムで、誰でもスポーツを楽しめるイベントとしております。
 開催に向け、広報かけがわなどで周知を行ってまいりますので、議員の皆様をはじめ多くの市民の御参加をお待ちしております。

人流データ活用事業について

 最後に、人流データ活用事業について、申し上げます。
 本市では、政策の効果を最大限に引き出すため、このたび人流データの活用システムを導入しました。これにより、データに基づいたマーケティング視点での政策形成を本格的に推進します。
 人流データとは、スマートフォンアプリ利用者などから同意を得て取得した位置情報や性別、年代などを分析したものです。このデータを活用することで、これまで勘や経験に頼っていた部分を、より正確な情報で補うことができます。
 例えば、イベントや観光地においては、どのような方が、いつ、どこから、どのような交通手段で来ているのかを詳細に把握できます。これにより、ターゲットを絞った効果的なプロモーションや、来場者のニーズに合ったイベント内容の改善が可能となります。
 この人流データの活用は、イベントや観光分野だけでなく、多岐にわたる分野で大きな効果を発揮します。
 また、災害時の避難行動の分析や、公共交通機関の利用状況の把握を通じて、よりきめ細やかな防災対策や都市政策の立案に役立てることができます。
 さらに、費用対効果の高い事業にリソースを集中させることができます。これにより、限られた予算を効果的に活用することで、効率的な行財政運営が実現します。
 今後は、庁内での研修を重ね、人流データを様々な部署で横断的に活用していきます。そして、市民の皆様の暮らしがより豊かになるよう、データに基づく根拠ある政策を推進してまいります

以上、行政報告とさせていただきます。

令和7年8月29日

カテゴリー

Adobe Reader

このページと
関連性の高いページ

新着情報

お知らせ

イベント

募集情報

チャットボット:僕に何でも聞いてね

チャットボット

閉じる

掛川市のチャットボットアシスタントです!「生活全般、医療・コロナ、防災、教育、交通、福祉、よくある質問」のご案内ができます